Pochitto(ぽちっト)神戸 | 横塾のちょっと一息
更新:2018.11.23
第1回---横塾のちょっと一息
【留学について】
まぁ、留学なんてものは、私が学生のときには、「お金持ち」がするものだと思ってた。
大人になってからも、留学帰りの教え子たちに話を聞いたが、受ける印象は同じ。
日本人のグループで英語で授業を受けて、授業後は「気の合う仲間」と遊びに行く。観光地やショッピングモール、ビリヤードバー。週末には、少し足を延ばして小旅行をする。
これが1ヶ月続くのだから、楽しい思い出になるのは間違いない。「英語は話せるようになった?」と尋ねれば、はにかみながら「いゃ、まぁ」という答え。結果、私の印象は「お金持ちがすること」のまま。そんな私が今、留学エージェントをしているのだから、人生は面白い。
事の発端は、十数年前。中1の教え子の留学について相談を受けたので、私は前述のようにアンチ留学の意見を伝え、最後に「留学するのなら、現地で日本人と一緒になれない環境がいいですよ」という言葉を添えた。
彼はオーストラリアにホームステイすることになるのだが、私の助言通り、現地では日本人と一緒にいないどころか、とても大変な体験をすることになる。ホームステイ先が「留学生受け入れの補助金」目当てのシングルマザーの家で、意地悪な兄弟と、他のデブッチョの留学生と時を過ごすことになったのだ。
シングルマザーはエサのような食事しか用意してくれず、意地悪な兄弟はゲームを見せびらかせるだけで、同室のデブッチョとはコンセントの取り合いをしなければならなかった。まるで、マグルの家でいじめられるハリーポッターのようではないか。ハリーポッターは魔法が使えるからいいが、教え子は英語も話せない。
彼は日本に帰ってきてから私に散々愚痴を言い、「留学なんか二度と行かない」とふくれっつらをしていた。もちろん、彼は今、北米・東南アジア・南アジア・西欧と、世界を股にかける青年になっている。
若者に過剰なサービスはいらない。適した環境に放り込んでやればいい。
ヨコ塾 横山 聡