Art Column

Pochitto(ぽちっト)神戸 | 

Pochitto(ぽちっト)神戸 | アートコラム

更新:2021.11.23

第3回---アートコラム

画家として生きるには

よく同業者の方からこういう御言葉を耳にします。「ニートと絵描きの狭間にいます。」「就職してないし安定なんてないけど絵描きになりたいです。」「薫さんの持つ顧客、又はスポンサーを紹介して下さい」等。

今回は美大に行かず、コネなし実績なしだった画家の気づきを書きます。画家として活動し始めて5年目になりました。会社員時代に地元神戸で個展を開催したのが全ての始まりでした。開催してみての気づきをいくつかシェアします。画家=食えないと言われ続けていた中で、活動の救いになる経験でした。展示会開催前も絵を買ってもらうことはありましたが、それまでは絵を直に、お客様が買うシーンを見たことがなかったので「本当に絵が売れている!」と間近で見れた影響が一番大きかったです。絵を見てくださった方の反応を直に見て話せるというのは大きいです。どの作品によく足が止まるのか、スルーされる作品はあるのか。グループ展では作家も多く、お客様とあまり話せなかったりするので、個人で話しやすい環境を活かして、どの絵が良いと思ったのか等聞いてフィードバックを得る時間になりました。

お客様のいらっしゃらない時間も、全体で作品を見れるので、改めて作品を見直す良い時間になります。そして私は展示会中は休み時間を取らず、ずっと在廊しながら絵を描くようにしています。いつどんなチャンスが巡って来るか分からないので、展示会場は私の舞台だと思っています。お客様との会話で出てきたワードと照らし合わせて、じゃあ次はこうしようかな、こうできたなと脳内作戦会議が白熱する時間に。気づけば1年のうち15回個展をする予定になっていました。日本全国で開催すると、前回も来てくれたお客様が見に来てくれたりします。 それだけ自分の作品に惹かれているということで、有難いですね。作家が同じギャラリーで同じ時期や毎年、展示を開催していたりしますが、同じ方が見に来てくれて、作品の過程も含めて見てくれるこを狙って同じ場所でしているんだなと改めて理解しました。

絵描きとしてやっていくのは、控えめに言って結構大変です。考えてみれば1人、起業して孤独と闘うようなものなので、それも当たり前なんだろうと思います。

運・縁・恩は自分自身で作っていくもの。個展に意味はありましたし、敢えていうなら「出会い」の為にやっているんだなと、私は思います。

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橋本 薫(はしもとかおる)ボールペン画家
神戸市出身神戸市在住、兵庫県立明石高等学校美術家卒業
いいちこ米国ポスターや山田錦のお猪口白鶴消毒ミストのデザインを手がける。現在、国内、海外問わず、活動中。

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過去の「Art Column」情報

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運・縁・恩を大切に

更新:2021.7.23

第2回

運・縁・恩を大切に2

更新:2021.9.23

第3回

画家として生きるには

更新:2021.11.23