Pochitto(ぽちっト)神戸 |
更新:2018.1.23
第4回---
「日本と海外のレッスンでの共通点と相違点」
私は音楽教育事情を調べている研究者ではない。なので、こういうテーマを掲げると語弊があるかもしれないが、あくまでこう感じた人もいると思って聞いていただきたい。
まず先に延べておきたいのが、私が習ってきた恩師はみんな尊敬すべき方々だ。どの方がかけても今の私はなかったと思う。日本で小学一年から中学までピアノの基礎を叩き込んでもらい、コンクールという場に何度も出させてもらいストイックに音楽に向き合う姿勢を教えてもらった。中学校から音楽大学時代は表現の幅広さを学ぶ大切な時期だった。それが故に人間として未熟な自分が追い付かず挫折というものを感じた時期でもあった。音楽大学を卒業し海外に渡り大きな衝撃を受けたことが三つある。
まず最初に学んだ教授には楽譜をとことん忠実に再現させられた。海外ならどんなスケールの大きい事を言われるのかとワクワクしていたが、全く逆だった。拍子の取り方からアーティキュレーションの付け方など楽譜上の細部まで聞き耳を立てられていた。指導を受けたというよりも彼自身が許せないという印象を強く受けた。
二つ目は国全体が音楽を聴く環境が整っていることだった。一流といわれる演奏家のコンサートが毎日のように行われチケットも気軽にいける値段に設定してあるのだ。いい演奏を耳に入れることで自然に音楽の起伏を知ることができた。
三つ目は最後に出会った恩師の言った『あなたはピアニストなのだから』という言葉だった。生徒を『アーティスト』として扱うその先生のあくまで自然な対応が私に自信と責任感のようなものを与えてくれた。
日本で十四年。海外で五年弱。私がピアノを学ぶことだけに専念した期間。そこから人に音楽を伝える立場に立って十三年。今でも日々音楽に発見があり克服があり、得るものがある。どこで、誰に学んだかということが全てではない。一期一会がその人の音楽を絶えず変化させてくれているものだ。
