Pochitto(ぽちっト)神戸 | 遊育園こどもクリニックのコラム
更新:2024.3.23
第1回---遊育園こどもクリニックのコラム
「日常の中にあるしあわせ」
俵万智さんの短歌の中でも特に有名な一首が、「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日という歌です。
パートナーからの単純な一言が、何気ない日を特別な記念日に変える瞬間を捉えており、その日常の中にある愛情や幸せを感じさせます。
明石家さんまさんの、有名な歌で
「しあわせって、なんだっけ、なんだっけ、ポン酢しょうゆのある家(うち)さ」というのもあります。
このフレーズも、幸せの本質が華やかな出来事や大きな成功にあるのではなく、日常生活の中の小さなこと、家庭の中の些細な光景にあることを感じさせてくれます。
私は結婚して20年になります。その間には、さまざまな色の日々がありました。
ある日、久しぶりに二人で自転車に乗りました。
私たちの近所を30分ほどぶらぶらと。
そして夕暮れが訪れ、家がもうすぐそこに見える頃、予期せぬにわか雨が降り始めました。
私は雨男、妻は雨女。
そんな風に周りからは言われてきました。
かつてはその言葉が心に重くのしかかることもありました。しかし今では、そんなことはどうでもよくなりました。雨が降るたびに、それが同僚との会話の小さなネタになっています。
にわか雨が降り始めたその時、妻が、ゆっくりとこう言いました。
「二人やと、いつも雨やなあ」
その言葉には少し微笑みが添えられていました。
不思議と、そのセリフが心に染み渡り、私も静かに微笑みました。
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