Pochitto(ぽちっト)神戸 | 子どもみらいサポート「あくしす」
更新:2018.11.23
第3回---子どもみらいサポート「あくしす」
アメリカで実際にみたインクルーシブ教育
10月号ではインクル―シブ教育について少し触れました。簡単に言うと障がいの有無にかかわらず「誰もが望めば合理的配慮のもと普通学級で学ぶ」ということです。
私は書籍で初めてその言葉を知り、アメリカはインクルーシブ教育が進んでいる!! と思い、実際に行ったことがあります。現実は、人種差別と貧富の差が激しいことから、白人とそれ以外の人種で分離されていたり、成績の悪い子や障がい児を受け入れない学校もありました。なぜならば学力を上げ、競争原理のなかで学校や先生の評価を上げるためです。
アメリカの教育改革の事例として成果が出ている成功例ばかりが紹介されています。どの国もその歴史のなかで福祉や教育も発展しながら、当然課題も山積みであり、予算も人も足りてないのが現状のようです。モデルとなる学校にもお邪魔しましたが今回の記事では割愛します。
日本のインクルーシブ教育のテーマのひとつは「共生社会」です。人種も文化も違う人たちが集まるアメリカでは、?みんな違って当たり前"が前提にあり、?みんな一緒に"は重視されません。「障がいのある子がそこにいるのが当たり前」の風土があるのに対し日本では、年齢や特性で学年やクラスが決まり、みんな一緒が基準となり、「障がいのある子も特別に同じ教室で過ごせるようにする」という考え方になってしまいます。
みんなと同じようから得るものは、「みんなと一緒じゃなきゃダメなんだ」という認識となり、偏見や差別を知らず知らずのうちに子どもに植え付けていることにもつながりかねず、それは社会の取り巻く環境に原因があるのかもしれません。
障がいのある人に「合理的配慮」を施し、そのもとにインクルーシブ教育を実現させようとすればするほど、「排除」の論理が大きくなり包摂と分断を同時にはらむ可能性もあります。環境によって人の考え方は形成されます。人間がそこに?いること"の価値を高め、感じることができる健全な場づくりを大人がまずおこない、ひとりの子どもが安心できる環境や暮らしを地域社会でどうやってつくるかを考えていくことが大切であり、共生社会実現への一歩だと考えます。
児童発達支援・放課後等デイサービス
子どもみらいサポート あくしす