Pochitto(ぽちっト)神戸 | 許先生の健康TIPS
更新:2023.5.23
第1回---許先生の健康TIPS
■かかりつけ医とはなしましょう。
この春より神戸市消防局が新たな取り組みを始めました。それは、本人の意思を尊重した救急活動を実現するために、救命処置を希望されない患者様やその家族が、急変時に動転して救急通報をしても、救急隊がしっかりと、本人の意思を確認して、病院へ搬送せずにかかりつけ医につなげる活動もできるようになったものです。これまでは、意思に関係なく救命優先で搬送していたことに比べると、画期的な取り組みです。ここで大事なことは、本人の意思を尊重するということが重視されている点です。医の倫理の4原則には、“Autonomy(自己決定の尊重)”というものがあり、今回の取り組みはこの原則にのっとったものであると言えます。
体調が急変した時には、なかなか自分の求める医療をうまく伝えることはできないものです。ましてや、重篤な状態では、しゃべることすらできず、自分の意思を伝えることは不可能です。このようなことは誰にでも起こりうることであり、そんな時にしっかりと、自分が希望する医療を受けられるように対策をしなければなりません。どのようにすれば、自分の意思が守られて、受けたい医療が受けられるようになるでしょうか?
答えは簡単です。まずは、自分のことを一番わかってくれる人、多くの場合は家族であると思いますが、しっかりと、自分の希望を伝えておくことです。こうして欲しいということだけではなく、こんな状態にはなりたくない、ということも合わせて伝えておくことが良いでしょう。そして、もう一つは、かかりつけ医にも、その思いを伝えておくことです。前述の神戸市消防局の取り組みでも、「かかりつけ医」につなげるように決められています。かかりつけ医は、あなたと、あなたが受けたい医療をつなげる大切な役割を担うべき存在です。かかりつけ医を持ち、受けたい医療について、自分が大切にしていることについて話す時間を持たれてはいかがでしょうか?
神戸市消防局の広報はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=0RDP-O1a-vE
院長 許 智栄