許先生の健康TIPS

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更新:2024.9.23

第8回---許先生の健康TIPS

■熱中できること

夏休みがあっという間に過ぎ去った。小学生の子どもたちと過ごす時間はすべて貴重だが、やっぱり何でも一生懸命に取り組む子どもの姿が私は一番好きだ。遊びも、食べることも、寝ることも、体全体で楽しもうとしている、そんな姿に元気をもらえた夏休みでした。

クリニックの外来でも、これと同じように感じる時がある。乳児の健診で見る満面の笑みや、予防接種に全力で抵抗する子どもの表情はもちろんであるが、楽しみにしていることを話されるご高齢の患者さんの表情も同じように魅力的に見える。年齢を重ねると、一緒に出かける友人がいなくなる、体もしんどくなって外に出るのが億劫になる、あちこちに痛みが出てきてしんどくなる・・・もちろん、そういった悩みが圧倒的に多いし、その多くに医療が答えられない歯痒さも日々感じる。でも、そう言った負の面をぼやきつつも、毎日近くの山に登られたり、数少ない友人・知人と森林植物園に歩いて行かれたり、あるいは、家で一人こもりながら、中古販売されている壊れたギターを修復したりと、なんでもいいが、自分が熱中できることを話されている時の表情は、美しく感じられ、こうやって熱中して満足できるものを見つけられるってことは、幸せであり、歳を重ねても、そうありたいなぁと思わされるものである。

生きるということは、楽しいことばかりではなく、辛い側面がどうしてもある。そこに年齢は関係ないだろう。幾つであっても、乗り越えなければならない、あるいは受け入れなければならない試練や辛いものがあると私には思える。それでも、自分で、積極的に楽しむ姿勢、それが生きていくことの鍵なのかもしれない、そんなふうにも思えてくる。

「おもしろき こともなき世を おもしろく住みなすものは 心なりけり」。諸説あるが、幕末の怒涛の時代を一生懸命に生きたとされる高杉晋作が詠んだ短歌だそうだ。自分の思うがままに、なんでもいい、なにか熱中できることを探してみて、楽しんでみようとすること、その心が健康につながるのかもしれない。

院長 許 智栄

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