Pochitto(ぽちっト)神戸 | 許先生の健康TIPS
更新:2023.9.23
第2回---許先生の健康TIPS
■一緒に決めよう!
医療方針を決めることは、とても難しいことです。その最たる理由は専門的知識や技術がどうしても必要になるからです。このため、「先生が決める」ということが、医療では古くから行われてきました。一方で、医療の対象となる体や心は、先生ではなく患者となる皆さんのものです。その主人は、皆さんであり、自分で決めるという考え、つまり自己決定権は当然であり、ここで先ほどの医療の考え方が矛盾をはらんでいることがわかります。
このような矛盾を解消するため、昨今では決定をシェア(共有)する、という医療方針の決定スタイルが強調されるようになりました。医療者は、専門的な知識や技術を提供し、患者さんの考えや感じ方を尊重して、一緒に考え方針を決定するというものです。これには非常に時間がかかります。一人一人の話を聞けば、それだけ診療時間は伸び、それは医療者の疲弊や、今でも問題である長い待ち時間がもっと長くなるということも考えられるでしょう。それでも、自己決定権が尊重されるという考えはますます浸透し、この決定をシェアするという方式はこれからゆっくりと浸透していくものと私は考えております。そのためには、医療者と皆さんで工夫をしていく必要があるのだと思っております。
今度の診察の時、自分が決めるために何かできることがないか、考えてみてはいかがでしょうか?
院長 許 智栄