Pochitto(ぽちっト)神戸 | 許先生の健康TIPS
更新:2024.7.23
第7回---許先生の健康TIPS
■人のためが自分のため
この夏は猛暑が予想されているようで、暑さに負けないようにみなさん体調管理を心がけましょう。特に冷房を使わないことに慣れておられる高齢者のみなさん。現代の暑さは昔の暑さと質が違うとされています。そんなに暑くないと思っても、空調を整えて、室内での熱中症の予防に努めるようお願いします。
さて、今回は読書で出会った古代ユダヤ教の人生の問いを紹介したいと思います。
「私が私自身のために存在していないなら、誰が私のために存在しているのか。」「私が私自身のためだけに存在するなら、『私』とは何者なのか。」
小さい頃から、人助けの話を聞いたりすると、感動を覚え、自分には無理だなぁと思っていたように思います。自分のことで精一杯だし、まずは自分を大切にしなければと、自分に言い聞かせながら。ただ一方で、人のために何かできた時、この上ない喜びというか、満たされた気持ちになる、そんなことも皆さんも感じたことがあるのではないでしょうか?
犠牲だけに成り立つ善意は身を滅ぼす恐れがあるかもしれません。それよりも自分をしっかりと見つめ、喜びや悲しみも含めて、しっかりとケアする。そうすると、自然に自分を愛しむ心は、そこに留まらず、自分と同じように喜び、悩み、苦しい思いをしている他者へと繋がっていくのではないか、それがまた、『私』への気づきにつながっていく、そんな風に、この言葉に教えられたような気がします。
コミュニティは無数の『私』の集まりです。そのすべての『私』が、第一の問いだけで満足して終わり、『私』のためだけの集まりになったら…、恐ろしくて想像もしたくありません。なんだか、壮大な話になってしまいましたが、実は、この問いには三つ目があります。それは「そして、もし今でなければ、いつだというのか。」という問いです。今始める。今、『私』を大切にすることで、思いやりを持って他者との繋がりを確認し、さらに『私』という存在を見つめ直していくことが大切だと、そんな風に日々を暮らせたらと考えさせられました。みなさんにとって何かの役に立てれば幸いです。
参考図書:スタンフォード大学
いのちと死の授業 講談社
院長 許 智栄