Pochitto(ぽちっト)神戸 | 里山コラム
更新:2017.7.23
第1回---里山コラム
藍那の植物1 「献上のやまもも」
あいな里山公園の夏を彩る植物の代表が「献上のやまもも」だ。
藍那をはじめ神戸市西部には自生のヤマモモが多く六甲全山縦走路の横尾山などのやせ地でも旺盛に生育する。須磨や西神のニュータウンでは街路樹や公園樹として多く植えられ、7月はじめには周辺に甘酸っぱい香りが漂う。
藍那・白川のヤマモモは、古くは奈良時代から京へ献上されていた記録が残っている。
鎌倉時代の歌人、藤原定家は「玉ほこの 道行く人に ことつてて 楊梅おくれ 白川の人」と詠みヤマモモ(楊梅)の独特の風味に魅せられていたようだ。ルビー色の大きな果実の生食は数日間限定の美味であるが、 傷みが早く流通はしていない。シロップやジュース、ジャムも味わってもらいたい。果実酒は消化を助け健胃整腸効果がある。葉のお茶は薄いルビー色でほんのり甘さもあり飲みやすく抗酸化作用や血圧抑制作用等もある。樹皮は楊梅皮といわれる生薬でタンニンに富み下痢止めや消炎作用があり、黄から茶色の染料ともなります。生活全般で活用される植物である。
あいな里山公園長 髙畑 正