里山コラム

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更新:2018.5.23

第6回---里山コラム

藍那の植物6 「イネ(イネ科)」

日本の里山風景を作ってきた植物はイネと思います。2000年ほど前に大陸より稲作が伝わり、水田風景がひろがる。水田に水を引く 小川を作る。川がないところではため池に水を貯える。里山の林は水源を涵養するとともに落ち葉は田んぼの肥料となる。イネの水田を中心に 小川、ため池、里山林が形成された。

イネはお米を収穫するための植物ではあるが、美しい風景を作ってきた。茶色い土を耕し、水を張ると一気に湿地となり風景が一変する。 やがて早乙女たちの田植えが始まる。真夏には小さな白い花をつけ、秋には黄金の稲穂が垂れる。そして稲刈り、稲木にかけ乾燥させて脱穀、 精米となる。本園では、キヌヒカリ、ヒノヒカリ、山田錦、ハリマモチの4種を栽培。

水田は米を作るのみではなく、カエルや昆虫など多様な生き物を育んできた。米はご飯となるだけでなく、お餅や団子、パン、味噌、お酒にもなる。 稲わらは茅葺民家の屋根材、ゴザ、縄、草鞋、しめ縄、わらにすむ納豆菌で納豆もできる。イネは生活万般に有効である。

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あいな里山公園長 髙畑 正

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