Pochitto(ぽちっト)神戸 | 甲北病院 院長のアメリカ留学記
更新:2020.1.23
第10回---甲北病院 院長のアメリカ留学記
現代のアメリカで大学へ通うのに最大のハードルは費用だと思う。アメリカの大学の学費はこの20年間で一気に高騰した。
私が大学を卒業したのは1989年、医大を卒業したのは1993年だが、そのころ学費はまだ低かった。2000年代に入り一気に学費は上がり、1990年代前半と比較すると3倍~5倍、私立では10倍くらいになった。
私が2年前バークレー校に行って話を聞いたところ、外国人だと1年間で生活費も含めて500万円位はみてほしい、と言われた。私学だともっと高額だ。これはアメリカ人にとっても支払うのが大変な額であり、そのため多くの学生は借金(奨学金)をして大学に通う。卒後、その借金を返済していく。
当時外国人の私の年間の学費は8,000ドルで、カリフォルニア市民は年間2,000ドルであった(現在カリフォルニア人の学費は年間12,000ドルくらい)。生活費は1か月400ドルまで(シェアハウスの賃貸含む)だったので、すべて合わせて年間で約13,000ドル、当時日本はバブル期で1ドル80円位だったが仮に1ドル100円としても130万円であった。
よくアメリカの大学は入るのは簡単だが卒業は難しいとか言われるが、それも正確ではない。日本の受験戦争程勉強は大変ではないのだがカリフォルニア大学系列はどこも合格者約1万人に対して願書提出者は12万~15万人である。このように有名大学の競争率は軒並み10倍以上だ。
しかも高校の勉強も試験も日本に比べ簡単だから良い成績の生徒が多く、合格するかどうかが最後までわからないのだ。大学の勉強は大変だった。通常、講義、ラボなどが週に1科目だいたい5~7時間ある。課題は毎週あり、ほとんどのクラスで小テストが1~2週間に1回、中間試験が1か月毎、それに学期末試験があった。
成績は例えば課題が10%、クイズが20%、中間テストが各20%、学期末試験が30%、といった感じだ。いい成績(A以上)をとろうと思ったら、ほぼ毎日勉強していなくてはならない。しかも4~5科目取っていると、ほぼ2週間毎くらいに学期末まで何らかのテストがあったりする。これを4年間続けていくわけである。
甲北病院院長 近藤幹