甲北病院 院長のアメリカ留学記

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更新:2019.7.23

第7回---甲北病院 院長のアメリカ留学記

今回はアメリカの大学受験について書きたい。

私が大学を受けたのは35年前、1984年のこと。もう大昔だが、大学を受ける手続きは今も同じである。上位大学合格に最重要なのは高校3年間の成績と、SAT、またはACTと呼ばれる全国共通の試験(科目は数学と英語のみで、年5回程実施される。何回受けてもよい)の成績である。

上記に加え、課外活動の有無と内容(ボランティア、研究など)、学業以外の活動(クラブ、生徒会など)なども考慮されるが、とにかく高校の成績が良くなければ話にならない。A~Fの5段階評価で平均A?くらいは必須だ。試験はSATのほうがACTよりメジャーだ。当時、SATは50州すべてで受けられたがACTはカリフォルニアを含む多くの州では受けられなかった。SATは数学、英語各800点満点、合計1600点満点の試験だ。

過去に何度か試験形式は変更となっているが詳細は割愛する。昔と違い今は専門の「塾」に通って1600点満点を狙う生徒が増えたため、合格のカットオフ点数のインフレが起きているらしい。日本と決定的に違うのは、合格のための判定要素が多く、学校の成績やテストの点数がある程度以上だったら「確実に合格」というラインがわからないところだ。このため、同じ大学を受けても学校の成績もテストのスコアも上の生徒が落ちて、下の生徒が合格する、という逆転現象もわりと起きる。

大学願書提出は3年の9月後半頃から始まる。だから実質3年生(特に春学期)の成績は重要ではない。私の場合、10月後半に願書を提出(5校受けた)した。通常は合否の通知が届くのは年明けのことが多いが、私は12月半ばに早々とUC Berkeleyからの合格通知が届いた。他の4大学から合否の通知が届いたのは2月か3月であったがその時にはもう私自身バークレーに行くことを決めていたので、残りの4校については結果論だが、受けた意味がなかったな、と思ったことを記憶している。次回は日本人にはなかなかわかりにくい課外活動について書きたい。

甲北病院院長 近藤幹

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