Pochitto(ぽちっト)神戸 | チャイルドケモハウス
更新:2020.9.23
第13回---チャイルドケモハウス
【空間の力】
チャイルド・ケモ・ハウスは、小児がんの子どもと家族のための施設です。この施設を作るにあたって、世界的にも有名な手塚貴晴・由比夫妻に建築をお願いしました。理由としては、病院建築に詳しいことと、子どもが喜ぶ空間をよく知っておられるからです。手塚夫妻が建築されたふじ幼稚園はOECDで最優秀賞を受賞されました。この幼稚園は、なんと屋根の上を走り回ることができる楕円形のドーナツ形をしています。子どもたちは、太陽の光を浴びながら、元気に屋根の上を走り回っています。
この話を聞いたとき、「子どもの本来の姿はこれだ!」と思いました。つまり、子どもは太陽の光と広い空間があれば、意味もなく走るんです。
白血病の治療で骨髄移植治療後、2年くらいした8歳前後の男の子がいました。外来でその子のお母さんが、「最近、無駄に動くようになってきました。体力が戻ってきた感じで嬉しいです」とおっしゃったことがありました。
公園や道端で遊んでいる子どもたちを、そういった視点で一度見てください。意味もなく友達を追いかけまわしたり、叫びながら走ったりしていませんか?今でもおにごっこは、幼稚園児・小学生、時には中学生にも人気の遊びです。
チャイルド・ケモ・ハウスのプレイルームには、大きな天窓があり、太陽の光が差し込みます。特に何か特別なおもちゃがあるわけではありません。広いスペースと、天窓から太陽の光が差し込むだけです。幼少児の子どもは、このスペースに来ると、まず走ろうとします。
その姿を見て、お父さん、お母さんはとても喜ばれます。「病気の子ども」ではなく「普通の子ども」であることを実感できる瞬間だと思います。
建築家は、空間の力によって、人の行動を変え、気持ちも変える仕事なんですね。
「がんになっても笑顔で育つ」をスローガンに活動をしている
チャイルド・ケモ・クリニック院長 楠木重範
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