Pochitto(ぽちっト)神戸 | チャイルドケモハウス
更新:2021.3.23
第16回---チャイルドケモハウス
【がんと遺伝】
私は中学2年生の時に小児がんを経験し、今は子どもがいます。遺伝する病気ではないと分かっていても、子どもが体調不良を訴える度に不安になります。自分が治療をしていた年頃になると特に。
小児がんや若者のがんの多くは遺伝しません。その事を十分に理解をしている医師である私でも不安になります。
また、子どもが小児がんになった後に、その親御さんが次の出産を考えるときにも悩まれます。このような現実があるにも関わらず、「がんが子どもに遺伝したらどうするんだ」と無知な心無いコメントをされる方がいます。なぜ、このようなコメントをされるのでしょうか?
「贅沢なことを言うな」と思われている方もいるようです。または、「生まれてくる子どものことを心配しているのだ」と主張される方もいるようです。
繰り返しになりますが、小児がんと若者のがんの多くは遺伝しません。がんは、誰もがなる可能性のある病気です。
このようなコメントをする方の心の奥には、「がんは遺伝の病気だから、自分には関係の無いことなんだ」と思い込みたいと言う気持ちがあるのではないでしょうか?または、何かしらの正義感からでしょうか?このようなコメントは正義感とは真逆のものです。
少しでも多くの方が、正しい知識を知り、心を痛めるがん経験者とその関係者が減ることを切に望みます。
「がんになっても笑顔で育つ」をスローガンに活動をしている
チャイルド・ケモ・クリニック院長 楠木重範
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