Pochitto(ぽちっト)神戸 | チャイルドケモハウス
更新:2019.9.23
第7回---チャイルドケモハウス
【健康の定義】
幸福には、長続きしない幸福と長続きする幸福があるらしいです。長続きしない幸福とは、お金、モノ、地位です。長続きする幸福とは、心、安定、健康です。
では、病気があれば、幸福になれないのでしょうか?この場合の健康の定義が、「身体に異常が無い」ということであれば、私は納得できません。病気になっている子ども(私の場合は小児がんになった子どもと接する機会が多いのですが)を見ていて、辛いだろうなあと思うことはありますが、不幸だと思うことはほとんどありません。むしろ、たくさんの方々の優しさに触れ、幸せを感じる瞬間が多いだろうなあと思います。幸福に関しては、たくさんの研究がなされていますが、幸福は「なる」ものではなく「感じる」ものだという考え方が私は好きです。「楽しい」と「幸せ」は少し異なります。例えば、「楽しい」はスポーツをしたり、友達と遊んだりして、自分が楽しい気持ちになっています。この時に幸せを感じているかもしれませんし、快感だけかもしれません。いずれにしても自分が中心です。
一方で「幸せ」は、例えば「自分よりも大切な人がいること」で、幸せを感じることもできると思います。この場合、自分が中心ではなく、自分よりも大切な他人が中心になります。親は、子どものためなら命なんて要らない。子どもが病気になったら「代わってあげたい」と思うでしょう。そこまで思ってもらえる子どもも幸せですが、そこまで思える親も幸せだと思います。
また、小児がんになった子どもが病名を告知されたとき、「病気になったのが、ママじゃなくて自分でよかった」と言った子どももいます。私が知っているだけで2人います。子どもにとっても、親は自分よりも大切な存在なのかもしれません。親の心子知らず、ではなく、子の心親知らず、かもしれません。
幸福になる条件が、健康というのであれば、この場合の健康の定義は、「身体に異常がない」ということではなく、「心が健やかである」ということだと思います。
「がんになっても笑顔で育つ」をスローガンに活動をしている
チャイルド・ケモ・クリニック院長 楠木重範
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