Pochitto(ぽちっト)神戸 | 野次馬々日記
更新:2022.9.23
第3回---野次馬々日記
【野次馬々日記 VOL3】
暑かった夏も終わろうとしています。
私の夏のできごとを二つ。
夏休みのある日、うどんを食べようとお店に入りました。先客は小学生を含めた家族連れ、後から来る人もいるらしく席を決めている最中でした。私は少し離れた席に案内されました。そこへ後続の子どもたちがきました。決められた席につくと、そのにぎやかなこと。楽しい夏休みの食事会と思うものの「出ようかな」と思った時、「出来ません。」と言う店の人の声。席の用意という意味でしょうか。少しやり取りがあって彼らは出て行きました。「もう少し大きくなったら来てくださいね。」が店員さんの言葉でした。「もし私がいなかったら、彼らはうどんを食べられたかも。」と思うと、いつもはおいしいうどんがからく感じられました。後日この話をストレッチをしてもらう女性に聞いてもらいました。「彼らは良い経験をしましたね。」が彼女の言葉でした。
もう一つはお盆のこと。二月に五十四歳の若さで急逝した姪の初盆でした。小さな回り灯籠を供えお参りしました。妻として母としての姪の姿より、小さかった時の姿が思い出されてなりませんでした。そしてその夜、亡き夫の長兄の訃報を知りました。
大正十五年生まれの九十六歳でした。私はヨタヘロだし、コロナのこともあるので、葬儀等は失礼することにし、お別れだけでもと大阪に行きました。斎場に安置された姿は、数年前のふっくらとした面影は有りません。その面変わりは、むしろお義母さんと思わせるお顔でした。軍隊生活も経験し、戦後義父を亡くし、亡き夫を含めた弟たちの面倒をみるという大変なご苦労をされたことなどを、生前何度となく お聞きしたことを思い出しながら三十分ほどご遺影を前に過ごし帰ってきました。
こんな風に東奔西走した私のお盆は、亡夫とゆっくり語り合う間もなく終わりました。
コロナ、せんそう、生きていたらどんな考えをと思うと、今年ほど生きていてほしかったと思った年はありません。