Pochitto(ぽちっト)神戸 | 野次馬々日記
更新:2023.7.23
第9回---野次馬々日記
【野次馬々日記 VOL9】
「病癒え 呑む酒うまし 天の川」
以前ピースボート(以下PB)に乗った時、天の川句会という企画があり、投句したものです。病い癒え、コロナ騒ぎも去ったこの夏、みなさんはどうお過ごしでしたか。
私は「PB夏の日本一周クルーズ」で千七百人の人々と十九日間を過ごしました。そのいくつかをご報告します。
七月二十九日、東京を出航。日没を見ようと甲板に出ると、何と夕日の横に富士山を見つけました。みるみる太陽が沈んだ後、夕焼けの中に黒い富士山がどんどん沈む。日没ならぬ山没?何とも不思議な光景でした。
夏休みや十八歳以下は無料ということもあって、三人の孫を連れてのおばあちゃんや三世代家族など、子ども達が多かったです。お昼ご飯の時、円卓を二組の小学生と保護者が囲んでいました。兄弟だけでなく従姉も一緒のようでした。横から見ていても、微笑ましく、「サミットだね」「次は何の話題かな?」等々他の大人たちのテーブルも盛り上がりました。船が大きいことや子ども向けの企画が沢山あったせいか、子ども達をうるさいと思うことはありませんでした。
次の特徴は社交ダンスでした。五十時間のレッスン、六人の講師が用意され、自主企画も加わって、初心者、ベテラン共に楽しんだようです。ダンスのため数着のドレスを持ち込んだ方もおられ、何とも華やかなものでした。
そして、外国人の多さ、中国系が多く、香港、シンガポール、特に台湾は旅行社が三つ、二百人の参加とのことでした。その他いろんな国の人々が乗船していました。私は少し日本語ができる台湾の男性とその仲間の女性二人、日本で日本語を学んでいるタイの青年も加わって毎晩?楽しく飲んでいました。台湾の男性は鄭さんといい、何と日本人の血も少し入っているとかで「もしかして国性爺合戦の?」と思わず聞いてしまいました。鄭成功の末裔なのかも知れません。
PBは学びの船であります。さまざまな企画で気づかされることはもちろん、寄港地で知ることも多く、今回オプショナルツアーで参加した金沢の旅は印象的でした。JA松任が企画したもので、PBで使っている米の水田を見に行ったり、二つの酒蔵を見学したり、白山手取川ユネスコ世界ジオパークの「白山から生まれ、手取川で水が育ち、扇状地で水が生かされる」という水を知ることができました。
台風の影響もあり、博多・高知の抜港や、利尻礼文が見えなかった等々にもかからわず楽しみつつ十九日間をこなすことができ、十二月からの地球一周に向けての意欲がわいてきました。