Pochitto(ぽちっト)神戸 | 聴こえのコラム
更新:2022.5.23
第16回---聴こえのコラム
補聴器はどうして高いの?その2
先日、あるお客様が比較的高額な補聴器に買替えをされました。前号で、国内の補聴器購入価格は平均10?20万円/1台(全体の約半数「Japan Trak2018調査報告」より引用)とお伝えしましたが、その倍以上でした。数ヶ月経ち、おっしゃった一言は、「お金は只取らんなあ(高額なものには価値がある)」でした。
ただ今回お伝えしたいのはこちらがメインではありません。同じく前号で、補聴器価格の内訳「補聴器本体価格+聴こえに合わせた調整料+継続して使用するためのケアサポート料」を解説致しましたが、一見「高額」と言われる補聴器は、実は価格が見える化されている、ということをお伝えしたいのです。
その前に、補聴器の類似品の集音器について。集音器はそもそも「医療機器」ではありませんので、厚労省が定める効果、安全性等の品質管理基準を満たしていない点と、安易な広告(敢えてそう書かせていただきます)が目につき、補聴器と同等のものと誤認識して購入する方がおられないか、と懸念しております。
一方、通販等で数万円で販売されているOTC補聴器(医師の処方を受けない補聴器)は、厚労省から医療機器の承認を受けていますので、集音器とは異なります。ただ、器種の選択、耳あなの形状と聴力レベルに合った耳栓の選択、聴こえに合わせた適正な調整、以後の聴力変化への適切な対応、取り扱いなど、補聴効果を得るために必要なこれらのことを、ご自身で一からする必要があります。サポート体制がある会社であれば、別途追加料金を支払う等して都度オペレーターからサポートを受ける、といったこともありますが、このように購入時には見えない「価格」がある点を知っていただきたいと思います。
一見高額な「補聴器」は、調整料、ケアサポート料を含んだ金額ですので、故障修理などを除き、追加のサービス料は発生しません。購入時に全体の金額が見える化されている、ともいえます。これらのことをあらかじめ知った上で、皆様が最適な選択をされることを願っています。
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