「日本語」が読めない子どもたち

「今の子どもたちの学力は二極化している」とよく聞きますが、中学受験においても同様のことが言えます。上位のお子さんだと、中学受験の勉強に入る前にプリント教材や通信教育等で小学校の全内容を一通り終えているのは「常識」。そんな子に共通しているのが高い「読解力」です。解説を読むだけで、初見の内容でもおおよそ自力で理解できます。相手の話を理解するのも得意なので、高度な受験勉強にも十分ついてこれるのです。

その一方で「なんでこんな簡単な文も読めないのか？」というお子さんも間違いなく増えてきています。小学生をお持ちの親御さん、お子さんの国語の成績がいま一つだというのなら教科書の文を音読させてみてください。そのあまりの酷さに愕然とするかもしれません。「てにをは」はおろか、単語で区切ることすら危うい子も。こうなるともはや「日本語」が読めない・知らないというレベルです。教科書も読めなければ、そこに書いてある内容も当然理解できません。国語に限らずすべての勉強において、です。

中学受験をお考えならば、まずはご家庭での会話が正しい「日本語」でなされているかチェックしてみてください。「英語４技能」の前に「日本語４技能」を鍛えましょう。

今回は2024年度灘中1日目の問題です。

【問】

1,2,3,4,5,6,7,8から異なる4つを選び、大きい方から順にA,B,C,Dとしました。また、選ばなかった残りの4つを並び替え、E,F,G,Hとしました。すると、4桁の数ABCDから4桁の数DCBAを引いた差は4桁の数EFGHでした。4桁の数ABCDは□□□です。

（答えは次号で）

【前号の解答】
①45 ②1050

【解説】
2024＝2×2×2×11×23を利用します。
①2024＝(2×2×11)×(2×23)＝44×46＝(45－1)×(45＋1)
②同じ体積なら立方体に近いほど表面積が小さくなります。2024をなるべく近い3つの整数の積にすると8×11×23となり、表面積は(8×11＋11×23＋23×8)×2＝1050(cm2)です。

灘中学受験アカデミア　谷口　進師