Pochitto(ぽちっト)神戸 | ぽちトピックス(ふれ愛びと)
更新:2022.1.23
第29回---ぽちトピックス(ふれ愛びと)
- Qなぜ、この職業(小児科医)を選びましたか。
- A私の家は、ごく一般的な田舎の家庭で、家族や親戚に医療関係者はいませんでした。しかし自分自身が小児がんを経験し、病院という世界を知りました。病院はとても退屈で、納得のいかないルールがたくさんありました。そんな中で治療を受けている患者さんの気持ちを、私なら理解できるのではないか、と高校3年生の夏に思い立ち、医師になることを決めました。また、同じくらいの時期に一緒に暮らしていた祖父が亡くなり、初めて人の死を経験しました。「人の命には限りがあり、死は避けられない」という、あたりまえの事を実感したことも、医師になろうと思ったきっかけです。医学生になると、内科や外科などすべての科で臨床実習をします。その時に、小児がんの治療の進歩は目覚ましく、多くの子どもたちが治るようになってきていることを知りました。また、子どもに関わることが好きだったこともあり、小児科医になろうと決意しました。
- Q現在の活動について・・・TEAM NEXT GOALのスローガン「でも、頑張った」とは、どういうことですか?
- A小児がんになった子どもたちは、とても頑張っています。たくさんの注射をしたり、手術をしたり、大人よりも強い抗がん剤治療をすることも多いです。入院期間は約6か月以上かかり、長ければ1年以上の長期の入院生活が必要になります。そのような治療を経験した子どもたちが退院したのち、学校や社会に溶け込めなかったり、学業の遅れや体力の低下、合併症などの理由から自分に自信を持てなかったりすることがあります。厳しい治療を経験した子どもたちに、余計なお世話かもしれませんが、前向きに人生を歩んでほしいと思っています。そのためには、頑張った自分を、まず自分が認めることが大切だと思います。そして周囲もその頑張りを認めてほしいと思います。そうすることが、前向きに人生を歩むための第一歩になると信じています。このことは病気以外にも、あてはまると思います。障がいや貧困など、理不尽な逆境を経験されている方はたくさんいると思います。その逆境を乗り越える、または逆境に悩みながらも前向きに生きていくために、まずは自分の頑張りを認めてほしいと思っています。だから「辛かった。でも、頑張った。」という経験を、自分で表現してほしいと思っています。
- Q読者に向けて一言
- ATEAM NEXT GOALのホームページでは、みなさまの「でも、頑張った」体験を募集しています。どのような些細なエピソードでも構いませんので、ぜひご応募ください!他の方の投稿もホームページの「みんなの頑張った」からご覧いただけます。素晴らしい作品には、QUOカードやPaytonsのグッズ等をプレゼントさせていただきます。※Paytonsは小児がん経験者の北東紗輝社長(19歳)が立ち上げた会社です。