Pochitto(ぽちっト)神戸 | ぽちトピックス(ふれ愛びと)
更新:2023.1.23
第35回---ぽちトピックス(ふれ愛びと)
- Qこの職業に興味を持ったきっかけは?
- A月並みな話ですが、私が小学校低学年のころに「ロン」という名前のビーグル犬が、動物病院で治療を受けて元気になったことがきっかけです。
6歳くらいから、ずーっと変わらずに獣医師という職業を目指すために、大学合格まで頑張りました。6年間の大学を卒業して、国家資格に合格すると晴れて獣医師になれます。大学5年生のある日にふと考えます。獣医師という職業になるために頑張ってきて、いざ獣医師になれば何を目指して頑張ればいいのかと。獣医師になるというのは、ゴールであってスタートだということに気付きます。
そこから、次のゴールを探しはじめました。ヒトの医療は様々な科に分かれています。
狭く深くというのがヒトの医療です。獣医は、基本的に科が分かれていることがほとんどなく、全ての科を幅広く診察する職業です。なので、広く浅くという知識が求められます。しかし、いままでの獣医師は広く浅くで良かったかもしれませんが、獣医業界でも高度医療が求められるようになり、これからの獣医師は広く浅く、なおかつ一分野で深くということが要求されるのではないかと考えました。私が学生時代に興味を持ったのが神経病です。獣医の神経病はMRI検査を行うまで、何が原因か全くわかりません。
なので、神経科を専門にする獣医師がかなり少ないので、神経病を得意とする獣医師も少ないです。苦手意識がある獣医師の方が多いのではないでしょうか。そこで、ゴールを神経科を専門に深く知識をつけて、その他の科を広く浅く診ていくという獣医師になろうと考えました。神経病を得意とする動物病院に勤務し、神経病の診断や外科手術、内科治療を学び、神戸市北区に開業しました。 - Q当院の理念
- A当院は生涯のパートナーとしてよりよい生活を送れるような治療を考えていきます。ワンちゃんネコちゃんは、それぞれの体格や性格があるように、治療もそのこにあったものにしていかないといけません。命の危険があるような病気はしっかりと治療しないといけませんが、病気は治療自体がワンちゃんネコちゃんのストレスになることもあります。
どのように治療をしていくのか、ワンちゃんネコちゃんが幸せに暮らせているのかを踏まえて治療を進めるべきだと考えています。病院につれてくるのがストレスになる子は、ご相談ください。
当院の専門的な医療として、神経病の診断および治療、整形外科の外科的治療、心疾患の診断治療を行っています。
神経病の診断には、動物用MRIと脳波測定を使用しています。農林水産省が認可した動物用MRIを使用している動物病院は、兵庫県内では当院だけです。脳波測定を行える病院も関西では数少ないため、当院ではMRIで異常がない場合は脳波測定を行い、脳の電気信号に異常がないか調べることができます。
神経病は内科治療を主に行うこともありますが、外科手術が必要になることもあります。神経外科は、繊細な手技で神経を傷つけないように手術を行わないといけないため、当院では手術顕微鏡を用いて手術を行います。神経外科は、椎間板ヘルニアの手術が一番多い手術です。一番大きな手術は脳腫瘍摘出手術になります。脳腫瘍摘出手術の際は、6~10時間程度の手術時間になりますので、麻酔科の先生や手伝っていただく外科の先生をお呼びし、手術チームを結成しています。整形外科は、主に骨折の手術や膝蓋骨脱臼(パテラ)の手術、前十字靭帯断裂の手術(TPLO)を行っています。プレートは基本的に体との相性が良いチタンプレートを使用しています。心疾患の診断治療は、循環器専門の先生を関東からお呼びして、集中的に診察しています。私が循環器を診察する際は、その先生と連携をとって内服の調整をしています。 - Q地域の方々へ
- Aもちろん、専門分野以外の一般的な診察も行っています。他院では診断や治療が難しい神経病や整形外科は、当院にお越しください。
セカンドオピニオンも行っています。お気軽にご相談ください。他院で匙を投げられた病気も当院で治療できるかもしれません。病気はいつなるかわかりません。特にてんかん等の神経疾患は夜中に起こることが多いため、年中無休で診察を行い、24時間の急患対応を行っています。プロフィール
瀬戸 剛至(せと つよし)
京都府京都市 出身
岩手大学農学部獣医学課程卒業
滋賀の動物医療センターにて勤務
三重の大規模病院にて勤務
2020年8月1日~ファミリー動物
クリニックの院長に就任。
[所属学会]
●動物臨床医学研究会
●日本獣医麻酔外科学会
●獣医神経病学会
●獣医脳神経脊髄外科研究会
[趣味] ヴァイオリン
[コメント]人生のパートナーであるペットに最善・最良の治療を心がけます。
↑瀬戸 剛至 (せと つよし)
↑ロンと私
↑「動物用MRI」
↑当院の看板猫(東日本大震災の被災猫)