いよいよ夏本番。あと２ケ月は蒸し暑い日々が続きます。私自身、昔から湿度の高い夏が苦手で、いつも体のだるさを感じていました。

漢方を勉強するようになってから、湿度（湿邪）対策を自らの生活に取り入れて、それなりに元気に過ごして来ましたが、先日ふと「日本よりもっと暑い国ではどんな工夫がされているのか？」見たくなってタイへ行ってきました。特にタイ料理が好物なこともあって、本場のタイ料理のエッセンスにも触れたいと思いました。

短い滞在時間でしたが、マーケットの食堂からスーパーで売られているお弁当、宮廷料理まで体験することができました。

タイ料理といえばパクチー（香草）を思い出す方も多いかと思いますが、私が食べた限りでは、パクチー以外にバジルやミント等を多用しているのが面白いと思いました。どちらもシソ科に属し、食べると爽やかで体の中にこもった熱を冷ましてくれます。他には世界三大スープの一つともいわれる「トムヤムクン（エビ入りスープ）」。本場は激辛かと思いきや、意外にあっさりと上品なお味で、辛さよりもむしろ酸味を感じました。食欲のない時でも酸味であっさりと食べやすくしているのかなぁと思いました。

デザートに食べるマンゴーやスイカ等は体を冷やしますし、食後のお茶もジャスミンティーなど香りの高いもので、湿邪によって滞りがちな気を巡らせ、毛穴を開いて体内にこもった熱を発散させているように思いました。

漢方や薬膳の視点から見た「蒸し暑い国の生活の工夫」。自分なりの解釈だったかもしれませんが、とても楽しく体験できました。

五葉薬局 代表 古川太津子