Pochitto(ぽちっト)神戸 | 五葉薬局 たづこ先生の健康情報
更新:2021.1.23
五葉薬局 たづこ先生の健康情報【もの忘れの原因とは?(漢方的視点から)】
もの忘れの原因とは?(漢方的視点から)
アメリカのある大学の最近の研究によると、若いうちから腎機能が低下していると中年以降になってから認知機能が低下するリスクが高くなることが発表されました。この研究チームによると30代で腎機能が低下し始めた場合、20年後の認知機能テストの成績が実年齢と9歳も差があったそうです。
認知機能は脳の機能ですが、漢方では、脳は腎の持つ生命エネルギー(腎精)から生まれる「髄」の海と言われ、腎精不足を起こすと認知機能の低下や認知症が起こるのではないかと考えられます。
人間の老化とは腎精が減少していく過程のことであり、30歳前後でピークを迎えるとその後は個人差はありますが少しずつ衰えていきます。なので30歳を過ぎたあたりから「腎を補う」ことで老化予防や認知機能の低下を防ぐことが出来ます。
「補腎薬」を使ったり、「精」のつく食べ物(くるみ、黒豆、黒ゴマ、栗、キノコ類、ニラ、うなぎ等)を摂ることも良いでしょう。生活面では、「腎」は「恐れ」を嫌う臓器ですから、リラックスして楽しく明るい気持ちで過ごしましょう。また、認知症の方の脳内に溜まると言われているアミロイドβ(老廃物のようなもの)は良質の睡眠で洗い流すことが可能なので夜はぐっすりと眠ることがとても大切です。
年を重ねても、頭はしっかり、体も健やかに過ごしたいですね。
五葉薬局 代表 古川太津子