Pochitto(ぽちっト)神戸 | 神戸大学コラム
更新:2018.3.23
第1回---神戸大学コラム
【国登録有形文化財「六甲台本館」】
神戸大学の様々な魅力をお伝えする?神戸大学コラム。第1回のテーマは、「国登録有形文化財・六甲台本館」です。
六甲台本館は、神戸大学の正門を入り、大階段を上がって正面に見える建物です。学内に存在する最古の建物ですが、現在でも、主に経済学部経営学部の教室や事務室として、現役で利用されています。
左右対称の建物で、正面中央には時計台、下部に3連アーチ窓と、大アーチの車寄せ玄関を持つのが特徴です。外壁は、淡黄色のスクラッチ・タイル張り。スクラッチ・タイルとは櫛(くし)で引っ掻いたような縦線の模様を持つタイルのことで、大正末期から昭和初期にかけて日本で大流行した外装材です。軒下のパラペット(手すり壁)部分は、ロンバルディア・アーチと呼ばれる小さなアーチの繰り返し模様のテラコッタ張りで仕上げられています。
1932年(昭和7年)の施工当時は、その美しい外観から「白亜の殿堂」と呼ばれましたが、戦時中は、空襲の標的になるのではとの懸念があり、やむなくペンキで黒く塗られることとなりました。当時は垂れ落ちたペンキが玄関先を黒く汚し、みすぼらしい姿となっていましたが、今では美しい淡黄色に返り、往時の威容を取り戻しています。
神戸大学にはこの六甲台本館を含めて、5つの国登録有形文化財があります。これらの建物は、大学のウェブサイト上でも、広報活動のページにて「写真で見る神戸大学」と題してご紹介しています。また、学生ガイドが大学構内をご案内する「キャンパスツアー」も、今後開催を予定しています。このような機会も是非ご利用いただき、神戸大学が誇る美しい建物をご覧いただければ幸いです。
神戸大学総務部広報課