Pochitto(ぽちっト)神戸 | 神戸大学コラム
更新:2018.9.23
第4回---神戸大学コラム
【社会科学系図書館と大壁画】
神戸大学の様々な魅力をお伝えする「神戸大学コラム」。第4回のテーマは、「社会科学系図書館と大壁画」です。
社会科学系図書館は1933年に竣工した学内最大・最古の図書館で、国の登録有形文化財に登録されています。建物の外壁は、第1回のコラムでご紹介した「六甲台本館」と同じく淡黄色のスクラッチタイル張りとなっており、軒下のロンバルディア・アーチのテラコッタ張りも共通しています。玄関ホールを入ると開放的な吹き抜け階段が正面に現れ、天井にはステンドグラスのトップライトがあり、静寂の中に光が降り注ぐ魅力的な空間が広がっています。そしてひときわ目を引くのが、階段を上がった先の壁面いっぱいに描かれた巨大な壁画「青春」です。
「青春」の作者である洋画家・中山正實は、神戸大学の前身である神戸高等商業学校の卒業生。本学卒業後、23歳にして1921年の第三回帝国美術館展覧会で初入選し1924年にはフランスを代表する美術展覧会であるサロン・ドートンヌに入選するという快挙を果たし、注目を集めました。中山氏は大学から壁画作成の依頼を受け、3年の歳月をかけてこれを完成させました。壁画には青年24名と老人1名が描かれており。「大学の理想」をしめす11のテーマが設定されています。理想・希望・謳歌・友情・勤労・協同・試練・平和・思索・学究・休息・・・。森に集う青年達の動きがそれぞれのテーマを表現しており、中山氏からの後輩たちへのメッセージが込められた作品となっています。
「青春」の全体像や各テーマの解説・画稿については、神戸大学付属図書館ホームページのデジタルアーカイブより、どなたでもご覧いただけます、中山氏が壁画の構想を練る経緯をうかがい知ることができる貴重な資料ですので、ご覧いただければ幸いです。
神戸大学付属図書館ホームページデジタルアーカイブ
http://www.lib.kobe-u.ac.jp/hekiga/index.html
神戸大学総務部広報課