神戸大学コラム

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更新:2021.1.23

第18回---神戸大学コラム

【「防災減災パラダイムシフト」―阪神・淡路大震災から26年―】

三河地震、枕崎台風、福井地震、南紀豪雨、伊勢湾台風など、相次ぐ自然災害で多数の死傷者と行方不明者に見舞われた我が国は、1961年に災害対策基本法を施行し、本格的に防災への道を歩み出した。しかし、1995年の阪神・淡路大震災の大惨禍を経験し、共助と自助も強調されるようになった。すなわち「公助」だけではとても守ることができないことを思い知った。追い打ちをかけるように、2011年には東日本大震災に見舞われ、近年では、温暖化の影響か、毎年のように風水害に苦しんでいる。さらには、東海、東南海、南海の海溝型大地震が間近に迫る脅威にも怯えている。従来からの自然災害に対峙する姿勢ではもはや限界に達しているのではないだろうか。

2016年、理科学研究所計算科学研究機構(AICS:現在の計算科学研究センター・RCCS)において、神戸の街丸ごとのシミュレーションが行われた。一万数千本のボーリングデータから地盤モデルを構築し、約42万棟の建物、それらの基礎、埋設管がコンピュータの仮想空間内に再現された。その都市モデルに対して、地震や津波などのデータを入力すると、その都市全体がどのようになるかを高解像度で知ることができる。

このような都市デジタルツイン技術の実現は、災害リスクを定量化する。この情報が平時における民間投資の意思決定に重要な要素となり、通常の経済活動が災害リスクの低減や回避に向かうよう先導し、国土の強靭化を促す流れを形づくる。こうして自然災害から身を守ることで、さらに自然から「実」を得る自然災害との共生も見えてくる。古代エジプトでのナイル川の氾濫による肥沃な土地の獲得や、我が国では「霞堤」にその発想の片鱗を見ることができる。この現代版が、都市デジタルツインを活用した平時の経済活動と言えるのではないだろうか。

現在、場所を選ばずに都市デジタルツインを可能とするインフラデータプラットフォームの整備が、国土交通省によって進められている。神戸大学に事務局を置く技術研究組合では都市デジタルツイン技術の社会実装も行われている。まさに今、防災・減災のパラダイムシフトが進んでいる。

神戸大学総務部広報課

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