神戸大学コラム

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更新:2023.1.23

第30回---神戸大学コラム

【坂の上の館 ロイ・スミス館】

神戸大学の様々な魅力をお伝えする「神戸大学コラム」。第30回のテーマは、「坂の上の館―ロイ・スミス館」です。

ロイ・スミス館は、神戸大学本部の西、護国神社の坂道を登った長峰山の中腹にあります。1935年に神戸の貿易商・大谷茂の邸宅として建てられたスパニッシュ瓦葺き木造2階建寄棟造の明るくモダンな建物であり、設計は御影公会堂や甲南漬資料館(旧高嶋家住宅)などで知られる清水栄二が担当しました。外観はハーフティンバーや三連窓など西洋風の意匠で、内部には神戸らしく帆船など海をモチーフにしたステンドグラスが要所に配され、敷地南側には美しい日本庭園が広がっています。戦後一時カナディアンアカデミーの女子寮となった後、1960年に神戸大学の招聘外国人教師であったロイ・スミス(Roy Smith)先生の住居となり、現在は公益財団法人神戸大学六甲台後援会の事務所として使用されています。2011年10月に国の登録有形文化財となりました。

名称の由来となったロイ・スミス先生は、1878年6月アメリカ・イリノイ州に生まれ、1909年9月に31歳で旧制官立神戸高等商業学校(現神戸大学)に赴任、1968年3月に89歳で神戸大学を退官して本学最初の外国人「名誉教授」となるまで、明治・大正・昭和にかけて半世紀以上の長きにわたる教員生活を送り、本学史上最長の在職期間を誇る教官となりました(1969年6月逝去)。スミス先生を慕った多くの教え子たちは、1960年に先生のために旧大谷家住宅を購入(財団法人(当時)神戸大学六甲台後援会の名義で購入)し、11月21日にロイ・スミス館(THE ROY SMITH HOUSE)命名式と披露パーティを挙行しました。スミス先生は退官帰国までの最後の約8年間をこのロイ・スミス館で過ごしました。現在六甲台本館前庭にある先生の胸像や社会科学系図書館大閲覧室にある中山正實作の肖像画も教え子たちの寄附であり、スミス先生への敬愛の念が込められています。

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第30回

坂の上の館 ロイ・スミス館

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