Pochitto(ぽちっト)神戸 | 神戸大学コラム
更新:2021.11.23
第23回---神戸大学コラム
【山口誓子と神戸大学 - 山口誓子生誕120年】
口誓子は俳句雑誌『ホトトギス』で活躍し、水原秋桜子、高野素十、阿波野青畝とともに「四S」と称揚された俳人です。新興俳句運動では先導的役割を果たし、戦後は一九四八年に俳句雑誌『天狼』を創刊主宰して俳句の「根源」を追及しました。
東京帝国大学の卒業生である誓子と本学との直接的な関係は、一九八五年に死去した妻・波津女の遺産を子どものいない誓子が本学に寄附したことに始まります。本学を優れた日本文学研究の拠点だと期待した誓子は、「神戸大学の学術研究の助成のみでなく、広く国文学の振興に役立てる」ことを寄附の趣旨としました。本学は「山口誓子学術振興基金」を創設するとともに、一九八八年本学最初の名誉博士の称号を授与して誓子の功績を称えました。
一九九四年誓子が92歳で死去すると、遺言書に基づき全遺産が本学に寄附され、それを元に「山口誓子記念館」と「誓子・波津女俳句俳諧文庫」が設置されました。前者は本学百年記念館東側、大阪湾を一望できる絶好の位置にある数寄屋造の建物です。展示室には、誓子関連の資料や俳句俳諧関連の資料を展示し、国文学の研究に役立てる一方、伝統的な数寄屋造に触れて日本文化を体験することができ、国内のみならず海外との学術交流にも貢献できるよう造られました。
毎年開催している山口誓子学術振興基金講演では、今年は早稲田大学国際文学館(村上春樹ライブラリー)顧問のロバート キャンベル氏を神戸大学山口誓子記念館にお招きし、講演を行っていただきます。講演の様子は、神戸大学公式YouTubeチャンネルで配信しますので、ぜひご覧ください(配信日時は令和3年11月中旬~12月末日を予定)。
神戸大学総務部広報課