Pochitto(ぽちっト)神戸 | 神戸大学コラム
更新:2019.3.23
第7回---神戸大学コラム
【出光佐三記念六甲台講堂】
神戸大学の様々な魅力をお伝えする「神戸大学コラム」。第7回のテーマは、「出光佐三記念六甲台講堂」です。
六甲台講堂は、本学が誇る国登録有形文化財の1つで、第1回のコラムでご紹介した六甲台本館の西隣にある建物です。中世ロマネスク様式の鉄筋コンクリート造2階建てで、外壁のスクラッチタイルなどが本館と共通しており、正面玄関には背の高い五連アーチが並び、玄関の扉には国際貿易都市神戸にふさわしく船の操舵輪を模した装飾が施されています。
六甲台講堂の竣工は昭和10年のことで、昭和13年には、洋画家・中山正實による壁画三部作「富士」「光明」「雄図」がステージを囲むようにして完成しました。敗戦によりGHQに接収され、進駐軍将校家族用の娯楽施設として使用された期間などもありながら、かつては入学式や卒業式など多くの行事がこの講堂で行われ、ここから多くの神大生が巣立っていきました。
そして平成21年、神戸大学基金の事業として「六甲台講堂の再生」工事が行われ、老朽化が進んでいた講堂は竣工当時を限りなく再現して修復され、最新の空調設備や音響・映像設備などが導入されました。講堂が「出光佐三記念」を冠することとなったのは、この際に、出光興産株式会社から、同社の創業者である出光佐三氏が本学の前身校・神戸高等商業学校の卒業生であったご縁により、多大なご支援を受けたことによるものです。
この再生工事のおかげで、講堂は「悠久の殿堂」と呼ばれた当時の美しい佇まいを残したまま、現在でも様々な用途で利用されています。学外の方にも、六甲祭や学生による上演会、各種シンポジウム、講演会、キャンパスツアーなどの際にはお立ち入りいただくことができます。
また、当時の歴史などにご興味のある方は、大学ホームページに掲載の詳しい資料をご覧いただければ幸いです。
※通常時は内部を一般公開しておりません。
出光佐三記念六甲台講堂 講堂の概要http://www.kobe-u.ac.jp/info/outline/facilities/rokkodaihall/outline.html
神戸大学総務部広報課