Pochitto(ぽちっト)神戸 | どうぶつ科学コミュニケーター通信
更新:2022.5.23
第20回---へそのお話。
こんにちは!暖かくなってきましたね!ぶっちー宅の庭では、春からカメたちが孵化をはじめております。孵ったのは、クサガメの赤ちゃん。500円玉サイズでかわいらしいです。写真の通り、まだしっかりヘソがあります!
「え!カメにヘソがあるの!?」
とよく驚かれるのですが、あります。多くの人が、卵を産む生きものはヘソがなく、赤ちゃんを産む生き物はヘソがあると思っておられるようです。が、違います!
カエルやイモリなどの両生類にはヘソはありません。しかし、爬虫類、鳥類、哺乳類にはヘソがあります!魚はというと、一部の赤ちゃんを産むタイプのサメ等にはヘソがあります※。
爬虫類や鳥類の場合、卵の中でヘソが卵黄と尿のうという部分につながっています。卵黄は言ってみればお弁当です。尿のうは携帯トイレ。つまり、ヘソから栄養を吸収して、ヘソからうんちを出しているようなものなのです。赤ちゃんを産む動物も同じで、ヘソを通じてお母さんから栄養をもらい、うんちにあたるものを渡しているのです。魚や両生類の卵には、卵黄はあっても尿のうはないです。彼らの卵は水中に産み落とされますから、うんちは周りの水が洗い流してくれます。まとめると、赤ちゃんを産む動物と、陸に殻のある卵を産む動物にはヘソがあるというわけです。
ちなみに、カメはじめ爬虫類や鳥類のヘソは成長とともになくなります。なので、大人のカメをひっくり返してもヘソは見えません。
※お腹の中で卵を孵して、見かけ上は赤ちゃんを産む魚にはヘソはない。
↑産まれて間もないクサ ガメの赤ちゃんたち。
↑お腹を見るとヘソがある(赤矢印)
どうぶつ科学コミュニケーター / 大渕 希郷(おおぶちまさと)
上野動物園・飼育展示スタッフ、日本科学未来館・科学コミュニケーター、京都大学野生動物研究センター・特定助教を経て、現在フリーランス活動中。
動物から植物、昆虫、微生物まで様々な生きものを用いた科学教室をご要望に合わせて企画いたします。その他、ペットボトルを用いた顕微鏡作り、偏光板を使ったサイエンスアート教室など工作教室や、各種講話、科学コミュニケーション研修、展示デザインなども承ります。
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お問い合わせ:masato_ohb@yahoo.ne.jp