Pochitto(ぽちっト)神戸 | どうぶつ科学コミュニケーター通信
更新:2023.7.23
第27回---たまごの中には?
以前、この連載で卵の事を書かせていただきました。そのときは殻の構造についてでしたが、今回は卵の中身についてです。みなさん、スーパーで売られている卵は、主にニワトリの卵、すなわち鶏卵であることはもちろんご存知かと思います。そして、多くの方が日常的に調理に使う食材のひとつではないかと思います。
さて、ここでクイズです。卵をパカッと割った中身の、いったいどの部分が赤ちゃん(ひよこ)になるかご存知ですか?こう聞くと多くの方が、黄身だと答えるのですが、それは間違いです。黄身は言わば、赤ちゃんのためのお弁当です。卵の中で赤ちゃんは黄身を食べて育つのです。もちろん、口からではなくてヘソから黄身を少しずつ吸収してゆくのです。
え!鳥にもヘソがあるの??
と思われるかもしれませんが、あります。生まれたてのひよこにはあります。
話を元に戻して、ひよこになるのは黄身ではありません!と言うと、じゃあ白身!と言われる場合がほとんどなのですが、これももちろん違います。では、どこが赤ちゃんになるかというと、黄身の表面にある小さな白い点です。学術的には胚盤(はいばん)と言います。今度、卵を割るときはぜひじっくり観察してみてください。もちろん、スーパーで売られているのは無精卵ですから温めても胚盤がひよこに育つことはないのですが、有精卵であればひよこになる部分です。ぜひ探してみてください!
↑白い点のようなもの(矢印)が胚盤。黄身の表面のどこかにあります
どうぶつ科学コミュニケーター / 大渕 希郷(おおぶちまさと)
上野動物園・飼育展示スタッフ、日本科学未来館・科学コミュニケーター、京都大学野生動物研究センター・特定助教を経て、現在フリーランス活動中。
動物から植物、昆虫、微生物まで様々な生きものを用いた科学教室をご要望に合わせて企画いたします。その他、ペットボトルを用いた顕微鏡作り、偏光板を使ったサイエンスアート教室など工作教室や、各種講話、科学コミュニケーション研修、展示デザインなども承ります。
詳しくは下記まで。
お問い合わせ:masato_ohb@yahoo.ne.jp