Pochitto(ぽちっト)神戸 | どうぶつ科学コミュニケーター通信
更新:2024.3.23
第31回---お風呂のお話
みなさんはお風呂好きですか?毎日入っていますか?特に日本人はお風呂好きが多いと言われていますよね。では、動物たちはどうなのでしょうか?
有名なのはニホンザルかもしれません。地球上で最も北に生息しているニホンザルは冬に温泉につかります。体をきれいにするためではなく、温まるためにです。それによってストレス緩和にもなっているそう。動物園では、カピバラも冬にお湯につかりますが、寒さが苦手な熱帯原産のカピバラにとってはニホンザル以上に必要なのかもしれません。
また、動物の世界ではお湯以外につかるものがたくさんいます。たとえば、イノシシは「ぬた場」とよばれる水たまりで泥浴びをします。泥なんて浴びたら汚れるだけじゃないか!と思うかもしれませんが、寄生虫を落とす、体温を下げるといった効果があると考えられています。ゾウも泥浴びをしますが、ゾウの場合は泥が紫外線よけにもなっています。そのほか、様々な理由から、砂浴びや水浴びをする動物はたくさんいます。おもしろいのはスズメで、砂浴びと水浴びの両方をすることがあるのですが、その場合、なぜか砂浴びが最後のことが多いのです。ふしぎ。
さらに変わったところでは蟻浴(ぎよく)と言って、アリはじめ虫たちを浴びる行動がカラスやムクドリなどで知られています。どうやら虫たちが出す化学物質を体につける目的があるようです。公園などで鳥たちのお風呂タイムを観察するとおもしろい発見があるかも??
↑デグーマウスの砂浴び。砂浴び中だけ瓶に入ります。
↑気持ちよさそうに水浴びをするオカメインコ
どうぶつ科学コミュニケーター / 大渕 希郷(おおぶちまさと)
上野動物園・飼育展示スタッフ、日本科学未来館・科学コミュニケーター、京都大学野生動物研究センター・特定助教を経て、現在フリーランス活動中。
動物から植物、昆虫、微生物まで様々な生きものを用いた科学教室をご要望に合わせて企画いたします。その他、ペットボトルを用いた顕微鏡作り、偏光板を使ったサイエンスアート教室など工作教室や、各種講話、科学コミュニケーション研修、展示デザインなども承ります。
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