Pochitto(ぽちっト)神戸 | どうぶつ科学コミュニケーター通信
更新:2022.11.23
第23回---ヘビはどうして嫌われるのか。
こんにちは!第1回目・2回目の記事でも書いたように、ヘビとお仕事をしているぶっちーです!「蛇蝎のごとく嫌われる」と言うように、ヘビはサソリ(蝎はサソリの意)と並んで嫌われる生き物の代表。しかしながら、生物学的にみるとヘビはとても興味深い生き物であり、私自身が魅了されてしまったので相棒として仕事を一緒にしているのです。
一方で、ヘビが嫌いだという人の方が多数派だと思いますが、どうしてなのでしょう?ヘビが嫌いな人になぜ嫌いか?と問うても、「気持ち悪いから」としか答えないことがほとんど。シルエットだけなら、そっくりなウナギなどは嫌いなどころか好んで食べる人が多いのに。ちなみにヘビもなかなか美味。
それはさておき、興味深い研究があります。ヘビを含むいろんな写真を見せてゆく実験をすると、その中からヘビだけを素早く見つけられるというのです。ヘビをまだ見たことがない幼児でも同じ傾向が見られることから、ヘビを嫌うのは本能ではないかと結論付けられています。我々の祖先がまだ樹の上で暮らしていた頃、樹を登ってくる天敵がヘビだったからではないかとも考えられているそうです。
では、私は本能に抗った変わり者なのでしょうか?しかし、お仕事でヘビを見せて解説すると、嫌いだった人たちもヘビへの見方が変わってゆくのは実感しています。誌面ですが、面白くて、可愛いヘビのベビーの写真を載せておきますね!見方が変わりますように。
↑卵は柔らかいため赤ちゃん ヘビは特別な歯を使って切り裂くように殻を破る。
↑この秋産まれた赤ちゃんヘビ。孵化の瞬間。
どうぶつ科学コミュニケーター / 大渕 希郷(おおぶちまさと)
上野動物園・飼育展示スタッフ、日本科学未来館・科学コミュニケーター、京都大学野生動物研究センター・特定助教を経て、現在フリーランス活動中。
動物から植物、昆虫、微生物まで様々な生きものを用いた科学教室をご要望に合わせて企画いたします。その他、ペットボトルを用いた顕微鏡作り、偏光板を使ったサイエンスアート教室など工作教室や、各種講話、科学コミュニケーション研修、展示デザインなども承ります。
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