Pochitto(ぽちっト)神戸 | わたしの常識はあなたの非常識
更新:2020.3.23
第12回---わたしの常識はあなたの非常識
【ろう者だから犬食いするの?】
「犬食い」という言葉があります。一般的には、テーブル上の料理に、極端な前屈姿勢で顔(口)を突っ込まんばかりに近づけてガツガツと食べることを言います。
しかし、ろう者(聴覚障害者)の「犬食い」は、それとはちょっと違います。みなさん、想像できますか?
ろう者がコンビニ(コンビニエンスストア)でお弁当やお惣菜を購入した際、店員さんが「おはしはどうしますか。」「フォークやスプーンはどうしますか。」と聞いてくれます。でも、声が聞こえないので、何回も聞き直します。店員さんは、まさか補聴器もつけていない目の前のお客さんが全く聞こえない人だとは思っていないので、「ふざけているのかな」と勘違いして、その結果感情的な対応をしてしまうこともあります。
そういう嫌な経験をしたろう者は、次回以降コンビニなどでお金を支払う時、店員さんが何か言ったとしても、聞こえないので適当に相槌をうち、購入した商品が入ったビニール袋を持って店外にでます。そして、公園のベンチなどに着き、いざ落ち着いて食べようとしたら…、「おはしが入っていない!」。それで仕方なく、ご飯や唐揚げ、スパゲティなどを手づかみで食べたり、みそ汁などの汁物であれば、容器に口を突っ込み、ネギや豆腐を口ですすり取るようにして飲み込んだりする羽目になってしまうのです。それが「ろう者にとっての犬食い」であると、ろう者の友人から聞いたことが何回かあります。
また、ろう者の中には、まわりの人に自分自身が耳が聞こえないことを知られたくないために、聞こえているような行動をとる人がいます。だから、マンションの隣の人でも、「隣人は耳が聞こえない人である」という事実を知らなかったということもあります。
これはどうしようもないことなのでしょうか。皆さん、どう思われますか?
次回は「正月が一番おもしろくない」に続きます。
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