Pochitto(ぽちっト)神戸 | わたしの常識はあなたの非常識
更新:2020.11.23
第16回---わたしの常識はあなたの非常識
【 ネガティブワードを言うのは何故?(悪くないのに謝るのは何故?) 】
「恐れ入ります」「申しわけございません」「すみません」「ごめんなさい」という言葉は、健聴者の間ではよく聞かれますね。実際に私自身も、自分がわからないことを他人に尋ねる時には、「すみません、○○駅にはどう行ったらいいですか?」等、上記の言葉を場面に応じて使い分けています。
その時、ろう者(聴覚障害者)から「悪くないのに先に謝るのは何故(ネガティブワードを言うのは何故)?」と聞かれて、返答に困ってしまいました。「これらの言葉は、謝っているのではなく、ビジネスシーンや他人との会話の中で、話をやわらかくするクッションのようなものなのです。」という説明をしてもなかなかわかってもらえません。
ろう者は、「恐れ入ります」の代わりに、手招き等で注意を引き、「(ねぇねぇ)、今、時間は何時か教えてください。」「(ちょっとちょっと)、○○という場所まで初めて行くのだけど、どういう方法で行ったらよいの?」と手話で尋ねます。
文化が違うと言ってしまえば、それまでなのですが、説明するのは難しいと感じました。若い頃、「日本文化と欧米文化は考え方が違う」と聞いたことがあるのですが、『健聴者文化』と『ろう者文化』の関係もそれに似たようなものかなと今は思っています。
今回で今年は最後の原稿です。皆々様、良いお年をお迎えください。
次回は「見通しがつかないお正月は初めてです」に続きます。
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