【おまわりさんは嘘つきなの？】

久しぶりに会った、ろう者の友人Hから「おまわりさんは嘘つきなの？」と手話で次のような内容を問われました。

数か月前に兵庫県内のある国道を車で走っていたところ、おまわりさんに止められました。「車を運転中の携帯電話使用違反」と伝えられたのです。

状況説明として、運転中のHは気付かなかったのですが、国道を走行中に１人目の取り締まりの警察官に通報され、少し進んだ時に２人目の警察官に止められたということなのです。Hは「僕は絶対に携帯電話で通話をしていません。第一、僕は耳が聞こえないので、携帯電話での通話はできません。」と伝えたのですが、警察官は「携帯電話を見せなさい。通話記録を調べます。」と言い、Hの携帯電話を調べ始めました。

そして、応援の警察官も来たそうです。そして「おかしいなぁ。通話記録がない。」と何人かの警察官で相談したそうです。その間にも、Hは障害者手帳や運転免許証を提示して、「ろう者（聴覚障害者）だから携帯電話での通話は無理。」ということをアピールしたそうです。でも、警察官は「この障害者手帳は偽物（にせもの）である。」と信じてくれなかったそうです。そして、最後にはHに謝ることなく「証拠がないからもう行っていいよ。」とHの前から離れたそうです。

勝手に止めておいて不快な発言をして、謝罪もなく終わりです。Hは私に「おまわりさんは嘘つきなの？」と手話で問い掛けました。私はHに返す言葉がありませんでした。

今回の内容もHがろう者(聴覚障害者)だから受けた誤解だと私は考えます。耳が聞こえない分、より周りに注意して運転します。健聴者以上にまわりをよく見ています。見方によっては、「キョロキョロしすぎる」ようにも見えます。２人目の警察官がキョロキョロしているのを「不審人物」と勘違いして、実際に携帯電話を使用していた前後の車の人と誤解して止めてしまったのでしょうね。

次回は「だますの？騙されるの？」に続きます。

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