Pochitto(ぽちっト)神戸 | わたしの常識はあなたの非常識
更新:2018.5.23
第1回---わたしの常識はあなたの非常識
【生まれてきてはいけない子】
「僕の母親は障害を理由に親族から中絶を勧められた。3度目の妊娠で反対を押し切り、ようやく生まれたのが僕なんです。」昭和23年に制定された旧優生保護法では、本人の同意を必要とせず障害者に不妊手術を促すことを認めていた。
この例は、1996年(平成8年)まで存在していた旧優生保護法について、去年の産経新聞に出ていた私の友人Aの話です。やっと平成8年に「母体保護法」に改正され優生手術(不妊手術)の規定は廃止されました。
旧優生保護法とは「不幸な子孫の出生防止」という優生思想に基づく目的を明記していました。ナチス・ドイツの「断種法」の考えを取り入れた国民優生法が前身で、昭和23年に施行。「障害者差別に当たる」として平成8年に母体保護法に改正されました。
わかりやすく言えば、障害者が妊娠したら、親や親族が病院に「検査」と言って病院に連れて行き、麻酔をかけた後で、障害者本人の同意なしに強制中絶したり、二度と子供が産むことのできない身体にしたりすることが平成8年までは旧優生保護法によって、法的根拠があるとして認められていたのです。私の友人Bも過去に不妊手術をされました。
平成8年までに生まれていた人たちのまわりには本当は生まれていたかもしれないのに「生まれて来てはいけない子」という考え方でこの世に生を受けなかった子もいるのです。それが、今年になりニュースなどで騒がれていた「旧優生保護法」問題なのです。
皆様、こんにちは。私は兵庫県内で唯一手話が出来る社会保険労務士です。神戸北区北五葉(神戸電鉄西鈴蘭台駅)周辺に住んでるご縁で今回のコラムを担当させていただく運びとなりました。私には常識として知っている内容でも、あなたには「えっ、妊娠しても法律に基づいて、本人の同意なしに強制的に中絶や不妊手術をされるということが平成8年まではあったの?そんなの非常識だよ」とあるかもしれません。そういう事例を今後もご紹介していくことが出来ればと思っています。
次回は「シャワーで死ぬ?」に続きます。
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