Pochitto(ぽちっト)神戸 | わたしの常識はあなたの非常識
更新:2019.5.23
第7回---わたしの常識はあなたの非常識
【あなたは小銭が好きなの?】
先日(2019年4月)に、あるろう者(聴覚障害者)夫婦と話をするために愛媛県に行きました(他の都道府県のろう者の方々も私に相談したいことがあれば、いつでもご連絡ください)。ろう者夫婦はともに60歳以上でしたので、手話での昔話に花が咲きました。その中で、他の人から「ろう者は小銭がたまるなぁ」「あなたは小銭が好きなの?」と勘違いされることが多いなぁ、という話になりました。
今でこそ、スーパーなどで買い物をしたときには、レジで「ピッ」「ピッ」とバーコードを読み取り、合計額が例えば「1,258円」「253円」などと正確に表示されますね。ろう者もその金額を目で読み取って財布の中から小銭で買い物代金を払うことができます。
これが、店員さんから言葉だけで例えば「代金は324円」と言われても、健聴者は聞こえているから「100円玉3枚と10円玉2枚と1円玉4枚ですね」と正確に小銭で支払いを済ませることができます。しかし、ろう者は聞こえていないから小銭で支払うことができません。
一昔前は[八百屋さんなどに天井からゴムでつるしたつり銭入れのざる]があり、お店の人は、「言葉」でお客様との会話を楽しむことも商売のうちでした。ただし、ろう者(聴覚障害者)は言葉で言われた代金を聞き取ることができませんでした。そのうち店員さんに何回も代金を確認することが嫌になって、どの買い物に行っても支払いが簡単になるように多めの金額のお札を出すようになるのです。ですからお釣りの小銭が自然と財布の中にたまっていくのですね。今は、買い物したときの金額が目で分かるように表示されるので、「便利になった、小銭で払いやすくなった」とろう者の方々からもお聞きしています。
次回は「ろう者だから家を出ていかなくてはならないの?」に続きます。
神戸市北区(神戸電鉄西鈴蘭台駅周辺)にある手話ができる TKGB社会保険労務士事務所
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