Pochitto(ぽちっト)神戸 | わたしの常識はあなたの非常識
更新:2022.7.23
第26回---わたしの常識はあなたの非常識
【 おでこまるだしはこまる? 】
私自身の聴力は、先日測定した「標準純音聴力検査」によると、左耳が約60dBで右耳が約110dBという、いわゆる難聴者となります。
こういうことがありました。外で、ある親子が会話をしていました。「困る」という言葉が聞こえてきたような気がして、手助けできることがあればという気持ちで、その親子の方を見ました。しかし、少しも困った様子はありません。不思議なので、隣にいた健聴者の友人に「あの親子はなにか困ったことがあるのだろうか」と聞きました。健聴者の友人は、私が難聴者なのを知っているので、「お母さんがお子さんに『おでこ丸出し』と言っていたのだよ。たしかに、少し声が大きく聞こえた部分は『こまる』というところだったので、『おでこまるだし』が『こまる』と聞こえたんだね。」と教えてくれました。
このような経験は過去にも数えきれないくらいあります。例えば「助けて」は「片付けて」に聞こえますし、「薬を愛飲する」は「薬をアイーンする」ですし、「広い」は「白い」、「一時」は「七時」、「魚」は「高菜」、「佐藤さん」は「加藤さん」、「笑う」は「洗う」、「握手」は「拍手」と聞こえます。
実際に間違って聞こえたことが原因で困ったこともありますし、まわりの人に助けられたこともあります。
私は社会保険労務士なので、年金事務所や労働基準監督署に行くことが数多くありますが、いずれの役所も手話通訳者はいません。神戸市役所や北区役所にはいるのですが、年金事務所や労働基準監督署には手話通訳者が配置されていないのです。難聴者やろう者(聴覚障害者)が困っているのを見かけ、私が手話などでコミュニケーション支援をしたこともあります。
みなさんも、外で聞こえが悪くて困っている人を見かけたら、筆談でも身振りでも何でもよいのでコミュニケーション支援をしていただけたらと思っています。
次回は「観るのはNHK」に続きます。
神戸市北区(神戸電鉄西鈴蘭台駅周辺)にある手話ができる TKGB社会保険労務士事務所
代表 山本 敏彦
TEL 078(779)2259
FAX 078(201)1658