Pochitto(ぽちっト)神戸 | わたしの常識はあなたの非常識
更新:2020.7.23
第14回---わたしの常識はあなたの非常識
【 家や土地をもらってください 】
私のところにはろうあ者(聴覚障害者)から色々な相談が入ります。その中で解決策がなかなか見つからない相談が「家や土地をもらってください」というものです。親が亡くなったときに他の兄弟姉妹から「これはあなたにあげるからハンコを押しなさい」と言われ、よくわからないまま家や土地を相続してしまう場合があります。
そしてこれらの土地の多くが住むことができないような田舎や立地条件にあり、不動産会社に依頼しても売れない家や土地なのです。
結局、「これは相続しても価値がない」と判断した、他の(聞こえる)兄弟姉妹たちが、弱い立場のろうあ者に相続を押し付けた形です。
ある物件は古い一戸建て物件でしたが、これを見た不動産会社の社長は、「この物件は300万円もらってもいりません。重機も入らない様な立地なので、古家を解体するのにも職人さんの人力で解体するから300万円以上かかりそうだし、この立地だと買う人も想像できないです」と言いました。
また、別の物件は田舎の古い一戸建ての「袋地」物件でした(「袋地」とは、他の土地に囲まれているために公道に出られない土地のことです。公道へ出る道を持たないため「無道路地」とも呼ばれます)。この物件も大阪府にある不動産会社に売却を依頼したのですが、2年半ほど色々な方法で売却を試みた後で、「どうしてもうちの会社では売却は無理です」とさじを投げられました。持ち主のろうあ者は「毎年の固定資産税だけ払い続けているがどうしたら良いのか?」という切実な悩みを抱えています。
今回の内容をご覧になった方々にお願いします。皆さんの中には「家や土地をくれるというならばもらってあげるよ」という方もおられるかもしれません。そういう方は私の方までご連絡ください。
次回は「新型コロナウイルス感染症の影響は?」に続きます。
神戸市北区(神戸電鉄西鈴蘭台駅周辺)にある手話ができる TKGB社会保険労務士事務所
代表 山本 敏彦
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