Pochitto(ぽちっト)神戸 | わたしの常識はあなたの非常識
更新:2019.5.23
第6回---わたしの常識はあなたの非常識
【何故あなたは怒っているの?】
ろう者の友人Jから聞いた話です。Jは健聴者と結婚しました。台所で食後の食器洗いをしていたり、お風呂掃除をしたりしていると、配偶者から「何故あなたは怒っているの?」と言われたそうです。
皆さんも食器洗いやお風呂掃除の場面を思い浮かべてください。
一所懸命にお皿洗いなどをしたときには、ガチャガチャと食器が触れ合う音がしませんか?
洗面器や風呂椅子を洗う時、風呂おけを洗う時に音がしませんか?
耳が聞こえる人は「あっ、うるさいな」と自分で気づいて音がしないように調整して洗うことができます。でも、耳が聞こえない人は、そもそも聞こえていないので、音を小さくすることはないのです。 健聴者からすれば、音をガチャガチャとうるさく掃除しているのは「怒って食器洗いや風呂掃除をしている」ように勘違いするのです。そこで、冒頭の「何故あなたは怒っているの?」という夫婦の会話となるのです。他にも「スリッパの音がうるさい」という話も聞きます。 ろう者(聴覚障害者)本人はまわりに迷惑をかける気はないのですが、自分が出している音に気が付かないために、結果としてまわりに「うるさい」と思われることがあるのです。
兵庫県難聴者福祉協会の正会員である難聴者の私自身も、上記のように「何故あなたは怒っているの?」と聞かれたことが過去に何回かあります。
今後、健聴者の皆さんがまわりで「やたら大きい音をさせているな」という人がいた場合、「耳が聞こえていないから、大きな音を出していることに気が付かない」という場合もあると知っていただけたらと思います。
次回は「あなたは小銭が好きなの?」に続きます。
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