Pochitto(ぽちっト)神戸 | わたしの常識はあなたの非常識
更新:2020.5.23
第13回---わたしの常識はあなたの非常識
【正月が一番おもしろくない】
「一人ぼっちのろうあ者をなくそう」というスローガンを再認識する出来事です。
「正月が一番おもしろくない」とろう者(聴覚障害者)に聞くことが何回もあります。
令和時代になって初めての今年の正月でも「正月が一番おもしろくない」とろう者から聞きました。何故なのか、みなさん、想像できますか?
日本では、クリスマスイブは恋人たちとすごしても、正月は帰省してまで家族や親せきが集まり語らいます。子供や孫は、親せきの大人の方々にお年玉をもらうのが楽しみです。
ここで考えてください。親せきや子供、孫たちが集まった時に、会話はどうなりますか?多分、口から発せられる音声での会話がほとんどだと思います。手話で会話できる親せきや子供や孫は少ないと思います。
他の例として、親せきの結婚式に呼ばれたとき、式の後に披露宴などでは親せきの方々と楽しく語らいながら食事をするのですが、ろう者の人は「お前は話ができないのだから、家に帰れ。」と親や親せきに言われ、折り詰めにしてもらった食事を持って帰宅し、他の家族が何時間か後に帰ってくるのを自宅で一人待っていた、という話をよく聞きました。
だから、毎年正月1月2日~5日の間にろう者たちが集う「新年会」は盛況です。私自身も、何回か誘われて参加したことがありますが、手話だけで会話する時間は「本当に楽しい」と思いました。神戸市内の公務員のろう者から「朝から夕方までは誰ともお喋りできないから、夜に帰宅してから手話が分かる家族に思いっきり手話で話をしてすっきりとする。」と聞いたこともあります。会話ができない生活は寂しいものです。
次回は「家や土地をもらってください」に続きます。
神戸市北区(神戸電鉄西鈴蘭台駅周辺)にある手話ができる TKGB社会保険労務士事務所
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