Pochitto(ぽちっト)神戸 | わたしの常識はあなたの非常識
更新:2024.7.23
第38回---わたしの常識はあなたの非常識
【チャンスと考える】
今回のコラムは2024年7月23日に発行予定です。パリオリンピックは7月26日開会ですから、間もなく始まりますね。2020年東京オリンピックはコロナ禍のために2021年に延期開催されました。コロナ禍の5年間は色々な意味で心身ともにしんどかったです。仕事でもボランティアでも、今までに経験したことがないようなことが立て続けに起こった5年間でした。
ろう者(聴覚障害者)の友人や難聴の私が会話(コミュニケーション)するうえで、不便だと感じたことの一つ目は、暑い時のマスクでした。コロナ禍前までは、風邪が流行する冬を中心にマスクをしていましたが、暑い夏にはマスク姿はなかったのです。しかし、コロナ禍期間中は暑い夏も汗を流しながらマスクをしていました。私もしゃべっている人の口元を見て、唇の動きで何を発言しているのかを読み取ろうとします。しかし、マスクで唇を読み取ることが難しくなり、複数での話し合いの時には、誰が発言しているのかもわからなくなりました。
二つ目は、アクリル板です。私は仕事の関係で色々な役所に行くことがあります。マスクをして口元が読めなくなった上に、アクリル板の衝立をされると、しゃべった音声が跳ね返されるので、相手が何を言っているのかが全く分からないことが何度もありました。やむを得ず筆談で会話したこともあります。以前なら5分もかからなかったであろう会話に30分以上かかり、役所の人も私も疲れたことがありました。あのような経験は二度と体験したくないと思いました。また、コロナ禍の影響でろう者(聴覚障害者)が理不尽な扱いを受けたことに対しての相談も増え、一般の人からの依頼や相談と併せて、私自身が忙しくて一時、体調を崩してしまうほどでした。
コロナ禍があけた今、心身ともにかなり楽になりました。パリオリンピックも、2021年の東京オリンピックの時とは違ったより明るい気持ちで観ることができると思っています。
コロナ禍を通して得たつらい経験を逆にチャンスととらえ、今後の生活に生かしていきたいと思います。
次回は「ペースが遅くなった」に続きます。
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