Pochitto(ぽちっト)神戸 | わたしの常識はあなたの非常識
更新:2022.5.23
第25回---わたしの常識はあなたの非常識
【 ただのおじいちゃんになるの? 】
もうすぐ第26回参議院議員選挙が行われる予定です。選挙といえば、昨年9月3日に当時の菅総理大臣が、任期後の自民党総裁選に出馬しないと表明しました。つまり二〇二一年10月4日の任期で総理大臣をやめるということです。そのニュースを知った知り合いのろう者(Aさんとします)から「菅総理大臣は総理大臣をやめたら、ただのおじいちゃんになるの?」と手話で質問を受けました。それを聞いて私は「なるほど!」と思いました。
総理大臣は国会議員による間接選挙で選ばれ、街角にポスターが貼られることもありません。投開票の様子がテレビで放映されるだけです。任期を終え総理大臣という役職を退いても国会議員の身分はそのままです。
一方、神戸市長、兵庫県知事は私たちが直接選挙で選びます。選挙前は街角に写真入りのポスターも貼られます。ろう者の方々も投票に行かれます。そして選ばれた人が任期を終え、市長、知事をやめたら一般人となります。
どのような立場であれ、選ばれた人がその役職を退くと、我々と同じ一般人に戻るというのが、Aさんにとっての選挙なのだということを学ばせていただいた出来事でした。
もう一つ、ろう者の生活についての常識(必需品)を紹介します。「屋内信号装置」です。
「屋内信号装置」とは、玄関ボタンを押すと音(チャイム)が鳴るのではなく、壁に取り付けた機器から発する「光の点滅」や腕時計型の「振動(バイブレータ)機能」で来訪者を知らせる装置です。この装置のおかげで、チャイムの音が聞こえず、過去には受け取ることが難しかった宅急便や郵便物が受け取れるようになって助かっているろう者も多いのです。「屋内信号装置」というキーワードをインターネットで調べると、いくつかの機器が出てくるので、興味を持たれた方は検索してみてください。
次回は「おでこまるだしはこまる?」に続きます。
神戸市北区(神戸電鉄西鈴蘭台駅周辺)にある手話ができる TKGB社会保険労務士事務所
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