Pochitto(ぽちっト)神戸 | 日本人と英語
更新:2018.5.23
第2回---日本人と英語
入学したイギリスの学校内を案内してもらって寮の部屋にもどると、3人部屋で誰がどのベッドを使うか決めよう、といわれた。景色がいいから 窓際のこのベッドを譲るよと同室の2人から言われたので、それはとても光栄だから喜んで使わせてもらうと丁寧にお礼を言った。冬になると 窓際のベットは寒くて寝心地が悪い。夏になると緯度の高いイギリスでは夜中の3時には日が昇って私のベッドだけが眩しい。
学年で1週間キャンプする行事の時は、同じ班の生徒が親切にも私の荷物をベッドまで持って来てくれた。丁寧にお礼して荷造りして、 その重いリュックを担いで必死に山頂まで登りきった。そこでテントを張る段になって、他の生徒のおろしたリュックをもちあげたら、 私のリュックが倍重いことに気がついた。分担の装備品のうち、重くて厄介なものが私の荷物として渡されたのだった。
ホームシックの私に母が航空便で送ってくれた即席ラーメンは、1つ残らず食べられてしまった。もらっていいかと聞くので、一袋だけ もっていくのかと思ってどうぞどうぞと言ったら、みんなで全部たべたらしい。
トミーコウって、サンキューとオーケーしか言わないよね、というモノマネの劇までやっていた。トモコは発音しにくいらしく、トミーコウ になるので、今ではトモと呼んでと自己紹介することにしているが、日本人特有のうんうんと頷く仕草をしているのがトミーコウで、相方が、 このベッドは眩しくて寒いけど使う?というと、トミーコウがうんうんうんサンキュー。調理用コンロは重いけど持てる?うんうんうんサンキュー。 ヌードル全部もらっていいかな?うんうんうんオーケー。日本に核爆弾落としていいかな?うんうんうんオーケーサンキュー。アウチ!大爆笑。
その後私は、バカをみないためには思い切り自己主張しなければならないと考えて、太くでかい声で、激しい語気で悪い言葉を使うようになった。 英語だけの生活を1年経て、相当流暢に話せるようになってもまだ日常のコミュニケーションがうまくいかない。
日本で英語を習っている人たちには、このことを知っているだろうか。私が日本に帰ったら英語の先生になろう。(つづく)
ECC鈴蘭台駅前教室 前島朋子先生