日本人と英語

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更新:2019.1.23

第6回---日本人と英語

二か月近くの夏休みをスクールガーディアン(学校推薦のイギリスでの保護者)宅に下宿するのだが、みなトミーコウはラッキーだ、君のガーディアンはとてもとても優しくて知的なおばあちゃまだと言われていた。私の部屋は二畳もないところにベッドが押し込まれ、窓も机もなかったが、シーツや枕は清潔でフカフカでとても気に入った。物置部屋にこっそり隠れているようでウキウキした。おそらく本当にそうだったのだろう。毎日、食事の支度や洗濯などの家事をすすんでお手伝いした。あなたの話す英語はラブリーだ(発音が良い)と褒められ、実は学校で先生からひどい仕打ちを受けたり疎外されるので、バカにされないようアクセントを矯正するのにすごく努力したのだと話した。

ある日チキンスープにお湯を注いでいたら、それ以外のスープでと言ったのにこのバカ者と恐ろしい剣幕で怒鳴りつけられ、もう部屋に行けと命令された。呆然としていると、逆らうのかと夕食抜きの罰を受けた。それから頻繁に怒鳴られるようになり、おっしゃっていることがよく理解できませんと言うと、都合が悪くなると言葉が分からないという卑劣な言い訳だとよけい怒られた。とうとう英語の先生に判断してもらうとカウンセリングを受け、私には三週間の語学研修が必要だと告げられた。そのおかげでイースボーンの語学学校に送り込まれたのは、それこそ本当にラッキーだった。親切な講師とフレンドリーな学生ばかりで、英語を学ぶもの同士、ヨーロッパの留学生たちと意気投合して夜10時ごろまで日が沈まないイギリス南部の、陽気な人々で賑わう海岸や街中を散策した。ディスコやパブにも出入り自由だった。ホストファミリーは私に優しかったが、私はお手伝いの失敗に懲りて怯えて部屋に閉じこもり、ホストマザーは食事を部屋に運んでくれたりした。

夏休みが終わり、学校に戻った私は早々に校長室に呼び出され、本校の教師の名誉を著しく傷つけたと、先生方が睨みつける中、校長先生から叱責された。同級生はニヤリとして電話のジェスチャーをしてみせ、筒抜けだよ、だからあれほど忠告したのにと言った。私はようやく「ベリーベリーナイス」の意味がわかった。(つづく)

ECC鈴蘭台駅前教室 前島朋子先生

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