Pochitto(ぽちっト)神戸 | 街角浪漫
更新:2019.1.23
第12回---街角浪漫
1年前のS高校生時代、あの日も星が綺麗な寒い夜でした。決して良い子の皆さんや、又悪い子の皆さんも真似をしないでください。授業中、夜8時西鈴蘭台駅に集合の御触書が回ってきました。
そして集まった者は8人。寒風吹きすさぶ中、一路鵯墓地に向かって進行していきました。目的は一つ、翌日の墓地を走る校内マラソン大会を中止させるミッションを達成する為です。担任の先生が、雪が降ったり、万が一、道が凍結でもしていたら中止やな等とおっしゃっておられたのを聞き逃すはずもなく、それならば水を撒いて道を凍らせましょうかと集まった馬鹿者たちが、用水路の水をばら撒くと、あっという間に氷の道に変わっていくのです。
道中の氷が張った用水路の水を割って撒き散らし、事全コース内数十か所、まさしくコンプリートと意気揚々鵯越駅に着いた時には西鈴蘭台駅行き最終便でした。
が、翌朝大会は開催されました。 なんと、ばら撒いた所全ての道の氷は、虫の知らせ?を感じた先生方によって凍結防止材で溶かされていました。
勿論その後は水撒き実行犯8人に厳しい処罰が与えられましたのは言うまでもなく、その上2週間後の修学旅行の際には、謎の高熱にうなされて5人欠席、皆からはまさしく神の祟りと揶揄され、もし誰かでもそれで事故にでもあっていたらと思うと、撒いた途端に凍っていく当時の強烈な寒さと共に心まで凍りつく思いです。
今の時代ならば、恐らくSNS等で、相当叩かれている事でしょう。永六輔さんが残された言葉の中で、生きているということは、誰かに借りをつくること。生きていくのは、その借りを返してゆくこと。という文章を思い出すたび、周りの人たちに迷惑を駆け回った自らの人生を懺悔する次第です。
さて、今から20年前、恐怖の大王が天から降ってくる事になっていましたが、お陰様な事に今年もこうして日々反省の毎日を送って来れています。この前の皆既月食を始め、今年の天は7月にも月食、12月にも日食があり、星天でも様々な天体ショーが見られます。遠くに行かなくても、風街ともいえるこの街を通る風が余計な塵等を吹き飛ばしてくれるので最適な観測場所であるのは、もちろん言うまでもありません。
但し、暖かくしてこの寒さを楽しみましょうね。
作 山善寿司 大将