Pochitto(ぽちっト)神戸 | 街角浪漫
更新:2023.1.23
第37回---街角浪漫
神戸という地名は全国に在ります。奈良時代に税金を免除して、近所の住民の年貢をもらい受ける事を許された神社が在り、周りに暮らす人々の村を神の民の村として神戸と付けられたそうです。
因みにこの街の神社は生田神社になります。この神社、今の場所から北に登って新神戸駅の裏にある室町戦国時代には城にもなった砂山に有ったそうです。
昔々何日も雨が降り続き不安に感じた村人の一人がお宮様に登って神様を背負うや否や山が崩れ落ち、まさに寸前の所で助け出しました。何処かにお祀りする所は無いかと探していると急に神様が動かなくなりました。おそらくは神様、ここが気に入ったにちがいないと、現在の場所に新しいお宮が建てられました。その際、松は山を守ってくれなかったからと、生田さんには杉が御神木になっています。境内には梶原景時が出陣の前に一輪の花を咥えて戦った梅の木など源平時代の旧跡も数多く残っています。
東に広がる繁華街、まさに東門ですが、新道側にホットドッグのキッチンカーがあった青春を謳歌した通りは近代競馬発祥のコースの一部がそのまま残っている道です。もしかしたら勝海舟や坂本龍馬も単勝を買っていたかも知れません。
先日、神戸サウナの海側に在る、店主が湊川にある市場が好きすぎて遂には「東山」という屋号で営業している店で、星和台中学校出身のミステリー作家「今村昌弘」氏と偶然遭遇。映画にもなった「屍人荘の殺人」を始めシリーズ累計が百万部を超える凄い人なのにも関わらず、まあ気さく。高校も兵庫高校という事で地元愛炸裂の連続話を聞きながら楽しい時間を過ごす事が出来ました。京極夏彦さんが選考委員に今回からなられたので、そう遠からず西鈴蘭台から直木賞作家が誕生する日がきそうです。14代仲哀天皇のお妃、神功皇后が九州遠征の帰りに嵐に遭い、陸に辿り着くことが出来ません。そこである女神様が、あそこに置いてくれるのなら船を着けましょうと言うと皇后さまは二つ返事でオッケイ。この街に住む事になられた神様は、高天ヶ原においてはスサノオに一度痛い目に遭っていますが、恨む事無く彼の孫にあたる事代主(コトシロノヌシ)と同船しており、彼が西に住む事を許します。その住居が長田神社になります。そして生田の神、稚日女尊(ワカヒルメ)こそ神戸の名付けとして市民が大切にしたい神様の一柱です。
作 山善寿司 大将