Pochitto(ぽちっト)神戸 | 街角浪漫
更新:2024.9.23
第46回---街角浪漫
暑さ寒さも彼岸まで。兵庫津ミュージアム館長の田辺眞人さんによると、漢字が入って来る前の日本には四季が無かったそうです。今でこそ春夏秋冬を俳句の季語にまで細分化して、日常生活においても衣更えやお月見等使いこなしている私達ですが、一日の長さが長くなると暑い、短くなると寒いの二つ、言い得て妙に当たってます。
お彼岸はおそらく縄文時代から大切にしてきた日本人の風習です。様々な宗教や文化に融合していても続けていく事が大切なのだと思います。
さて、西鈴蘭台中が盛り上がったオリンピックで、君が代を聞く度に何故だか胸が熱くなったのですが、それは鉄道好きな人が、列車の遅延を告げるアナウンスを聞いた時に、周りの乗客にすみませんと心で手を合わせる様な感情に似た一体感と申しましょうか。日本人が成し遂げた活躍の証を世界中に届けてくれたアスリート達に、もっとご褒美をあげたいですね。神戸が誇る阿部兄弟、湊川神社前に本社がある三恵海運所属の日下尚、清岡幸太郎のレスリングの二選手等。勝ち進んでいく度にハラハラドキドキしながら観戦するにあたって、想像を絶する壮絶な鍛錬と努力を積み重ねつかみ取っていった栄光だと思うと、この人達が又1461日後に栄光を取る事が出来る様な環境を日本中で、無理なら神戸だけでもしてあげたいですね。
例えば、小中学生が持つVIPカード「のびのびパスポート」の寄贈や更なる強敵を丸腰に出来る「富岳」の優先利用等可能な限り応援して、日本人としての連帯感を味わいたいと思います。篠田謙一さんの著の「人類の起源」とういう本を読むと、NHKの「フロンティア」でも放送されていましたが、20~30万年前にアフリカを超えたご先祖様は、二手に分かれ、西はヨーロッパに、東はさらに二手に分かれてシルクロードを超えてモンゴルから中国にもう一方はシナイ半島、アラビア辺りを通過してインドからタイ、海沿いを通りながらマレーシアから旅は続き、3万5千年前頃にこのグループは日本列島に閉じ込められ、次の弥生人が来るまで独特の文化を生み出していきました。
科学の力によって80億人のヒトのゲノムは99・9%同じという事も分かっています。ご先祖様が旅してきたイスラエルのガザでは、80年前にこの国で起きた無差別爆撃が行なわれています。負けた戦争経験者を親に持つ我々が残していくのは、沖縄を始め罪もない逃げ惑う市民を焼き殺し、名古屋城等の文化遺産を焼却されたことです。パレスチナの子どもたちが虐殺されることに憤りを堪え切れません。原爆ドームに刻まれている「繰り返しません過ちは」の碑文ですが、0・1%の違いを大切にする人達にこの願いは届くでしょうか。
作 山善寿司 大将